「サイエンスショップ」とは,市民社会の科学技術に関わる課題について,大学やNPOなど専門的知識をもつ機関が,市民の相談を受けて必要な情報を提供したり,調査・研究の実施または支援をしたりする組織のことで,1970年代にオランダで誕生しました。
現代社会は高度科学技術社会あるいは知識基盤社会などとよばれ,環境,医療,安全などの課題を解決しようとするとき,科学技術等に関わるさまざまな知識が必要となります。しかしその一方で,科学技術の高度化・専門化が進み,理解が難しくなり,疎遠なものと感じる人も多いことでしょう。神戸大学のサイエンスショップは,こうした背景をふまえて2007年に創設されました。
神戸は大都市であるとともに,六甲山・大阪湾など自然環境にも恵まれています。また,阪神淡路大震災を契機として多様な市民活動が芽生え成長してきた地域でもあります。このような神戸の特徴を活かして,ヨーロッパに生まれ育ったサイエンスショップを参考にしつつも,地域社会や日本の文化的風土に融和した独自のあり方,”神戸型サイエンスショップ” を創造することを目指しています。地域社会における広い意味の科学教育や,文化としての科学を地域社会に根づかせ,「持続可能な社会づくり」をめざして,コミュニティを“豊か”にしてゆくような科学の在り方を探ってゆきます。
主な取り組みとして,以下のような活動を進めています。