人間発達環境学研究科は,「人間発達に関する教育研究,実践的研究を行うとともに,地域との連携を進め,多層・多元的なコミュニティの創成及び社会貢献に資すること」を目的に,附属研究施設である発達支援インスティテュートを設置しています。本インスティテュートは,本研究科が対象とする現代の問題に即してこの目的を実現するため,以下の5つのユニットを置いています。
ヒューマン・コミュニティ創成研究センター
ヒューマン・コミュニティ創成研究センターでは,本研究科で蓄積されてきた研究成果と,地域社会の実践活動とを融合させながら,現場に即した実践的研究活動を行っています。人間の発達とそれを支える活動を行っている地域組織,NPO,NGO,企業,行政,学校等の人々と連携しながら,研究・実践を深め,人間らしさにあふれたコミュニティの創成を目指しています。
心理教育相談室
心理教育相談室は,地域住民を対象とする心理相談機関と臨床心理士養成に関わる実習機関をかねて,これまで活発な相談援助活動を実施してきました。臨床心理学コース(前期課程)の大学院生が臨床心理士の資格を持つ本研究科教員による指導のもと,継続的な心理相談活動に従事しています。子どもからお年寄りまでさまざまな年代や立場の人が相談に訪れており,主に成人を対象とした面接相談である臨床心理面接や子どもを対象とするプレイセラピーを中心に,年間約1000 件の相談面接を実施しています。
サイエンスショップ
サイエンスショップは,市民と専門家(科学者,技術者など)の対話と協働の場づくり,市民のさまざまな科学活動への支援,地域の学校や社会における科学教育に対する支援などに取り組んでいます。地域社会の市民が科学技術をより身近に感じ,課題解決にそれを利用し,また「研究」も含めて「科学」という営みを楽しむ文化をひろげてゆくことを目指し,実践的な活動を行っています。
教育連携推進室
近年,大学に対して,初等中等教育との連携に係る社会貢献を期待する声が高まっています。教育連携推進室は,そうした要望を踏まえ,本学部・研究科に長年にわたり蓄積された学問的成果を土台にして,2015年12月,「高等学校をはじめ小学校,中学校,特別支援学校,教育委員会等と協力し,高大連携事業を推進するとともに初等中等教育に対する支援及び学校教育・社会教育における連携事業への協力を行うこと」を目的に新設されました。
アクティブエイジング研究センター
人口の高齢化は,今日多くの国で解決すべき重要な社会的課題の一つとなっています。世界保健機関(WHO)が掲げる「アクティブエイジング(活力ある高齢化)」はこの課題解決に向けた指針として注目されています。アクティブエイジング研究センターは,本研究科に蓄積されたこの分野の研究成果を踏まえ,2015年12月,「アクティブエイジングに関わる先端的研究を創発し,本研究分野の活性化とその成果の社会的還元を通して高齢化に係る課題解決に資すること」を目的に新設されました。