教育の特色
博士課程前期課程
人間の発達やそれを取り巻く環境の発展に関わる基礎的あるいは応用的・実践的な教育・研究活動に対し,学生の主体的参加を促し,高度な専門的能力を備えた人材の養成をめざしています。このため,本研究科では,個々の学生が在学中のあらゆる機会を通じて知識,スキル,能力,資質とそれらの自己開発力を獲得できるよう,学生の「学び」をトータルにプロデュースし支援する体制をとっています。以下のような特色をもつ,能力開発支援型の教育プログラムを提供します。
- 徹底した基礎的・実践的教育
- 研究科共通科目「特別研究I」において,文献調査法や資料収集法,フィールドワークやアクションリサーチの技法など,研究の基本的手法を修得し研究能力の基礎を固めます。さらに「特別研究II」において,研究の実際の場面に関わることで,研究遂行のための実際的手法を修得します。
- 個々の学習課題に応える積み上げ方式の専門教育
- 全般的な専門力量の形成を支援するために,各専攻では専攻共通科目(人間発達専攻では「人間発達総合研究I・II」「人間発達相関研究」「人間発達研究」,人間環境学専攻では「人間環境学相関研究」)を置いているほか,個々の研究課題に応じたコースワークが可能となるように,基礎科目「特論I」,展開科目「特論演習」及び関連する専門科目から構成される,積み上げ方式のカリキュラム構成をとっています。特に「特論演習」では,スキル開発を重視します。
- 複数教員による指導体制
- 本研究科では,主指導教員1名のほかに副指導教員2名をおき,副指導教員には,異なる専門分野でありながら学生の研究内容に関連する領域の教員があたるように配慮しています。これらの教員間の協議に基づき綿密な研究指導を行うことで,高い専門性とともに幅広い視野を備えた独創性・創造性をもつ人材を養成します。
- ヒューマン・コミュニティ創成のマインドを醸成する教育
- 研究科共通科目「ヒューマンコミュニティ創成研究」において,発達支援インスティテュートを活用した産学官民協働のフィールド研究活動に積極的に参画し,それらの活動を通して,ヒューマン・コミュニティ創成のマインドを醸成します。
- ソフトスキルや社会人基礎力の育成
- 専攻レベル,講座レベルで実施される諸活動(研究集会,セミナー,修士論文発表会など)において,「参加」「運営」といった役割を担うことにより,コミュニケーション能力,ネゴシエーション能力,企画力,マネージメント能力,チームワーク力,リーダーシップ力といったソフトスキルや社会人基礎力の育成を支援します。
- 持続可能な開発のための教育
- 「持続可能な開発のための教育(ESD = Education for Sustainable Development)」の理論と実践について学ぶことを目的にしたESDサブコースを設置しています。本研究科のすべての学生が,主専攻に加えて選択できるコースです。環境,人権,開発,防災,経済など,多様な課題の解決について,教育の観点から考究し行動することのできる国際人の育成を目指しています。このサブコースの修了生には,「ESD Advanced Practitioner」の認証が付与されます。
博士課程後期課程
人間の発達やそれを取り巻く環境の発展に関わる原理的あるいは応用的・実践的な教育研究活動に対し,学生の主体的参加を促し,高度な専門的能力だけでなく,独創的で卓越した研究能力を備えた人材の養成をめざしています。そのため,本研究科では,以下の特色をもつ教育プログラムのもとで,学生が,自らの専門を深めるだけでなく,多角的かつ相対的に捉えることにより,自らの専門のアイデンティティを練り上げることができる高度な学問的能力を身につけます。
- 専門力量を深化させる教育
- さらなる専門力量の深化をめざした高度化科目(「特論II」)を展開します。
- 実践的研究能力に磨きをかける教育
- 研究科共通科目「特別研究III」において,文献課題やレビュー論文の作成などを通して,国内外の研究状況を把握するための能力発展をめざします。研究科共通科目「特別研究IV」では,フィールドワークやワークショップ,研究会,プロジェクト研究などの企画・運営に参画し,研究を組織化する方法を修得します。また,国際レベルの論文作成能力を養成します。
- 体系的な博士論文作成指導システムの提供
- 前期課程,後期課程の計5年間で円滑に博士論文を作成できるようにするため,複数教員による体系的な論文作成指導システム(基礎論文,予備審査論文,公開最終試験)を採用しています。
- 実践的な教育力の開発支援
- 大学教員をめざす学生に対して,学部の教育実習に相当する科目「教育能力養成演習」を設置し,実践的な教育力の開発を支援します。
専攻について
専攻 | 講座 | 研究領域 |
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人間発達専攻 | こころ系 | 心理発達基礎(発達障害心理学,発達心理学,教育心理学,人格心理学,発達障害臨床学,臨床心理学,カウンセリング,発達臨床心理学) |
健康発達(健康科学,健康教育,ヘルスプロモーション,健康心理学,環境保健学,公衆衛生学) | ||
表現系 | 表現創造(作曲・編曲,声楽,器楽,舞踊学,美術・彫刻,音楽療法,絵画表現) | |
表現文化(西洋音楽史,民族音楽,近代建築史,感性科学,ファッション文化論,社会情報学,認知科学) | ||
からだ系 | 身体行動(体育・スポーツ史,運動生理学,運動心理学,スポーツ技術論,スポーツ社会学,バイオメカニクス,身体運動システム学) | |
行動発達(応用生理学,ジェロントロジー,高齢者心理学,スポーツプロモーション,加齢の身体運動科学,社会老年学) | ||
学び系 | 教育科学(科学教育,美術教育,社会認識教育,教育方法学,教育制度,教育行政,日本教育史,西洋教育史,教育哲学) | |
子ども発達(発達心理学,幼年音楽,児童文学,数理認識,図工・美術教育,乳幼児教育,身体発育発達) | ||
発達支援(子ども家庭福祉論,生涯学習,障害共生支援,ボランティア学習,ジェンダー論) | ||
実践的職業人の養成を目的とする2つの特別な履修コース(前期課程のみ),「臨床心理学コース」と「1年履修コース」を設置しています。 |
専攻 | 教育研究分野 | 研究領域 |
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人間環境学専攻 | 自然環境 | 素粒子物理学,宇宙物理学,分子生物学,生物有機化学,分析化学,高分子化学,光合成酵素科学,植物生態学,進化生態学,環境地学,環境地球化学,水域生態学 |
数理情報環境 | 情報論理学,計算機代数,応用解析学,トポロジー,数理統計学,応用統計学 | |
生活環境 | 衣環境学,感性工学,緑地環境学,環境バイオテクノロジー,環境経済学,食環境学,環境システム工学,生活空間計画,ヒューマンエレクトロニクス,バイオメカニクス | |
社会環境 | 社会文化環境論,社会保障,社会政策,途上国政治経済,社会規範論,人文地理学,地域社会論,社会思想,都市地理学 | |
環境先端科学(後期課程の連携講座) | 大気化学,炭素循環,生物地球化学,マイクロ流体工学,環境分析化学,ナノバイオ計測工学 |