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神戸大学発達科学部 OB&OGインタビュー



人間形成学科

interview01

学部と大学院での学びを活かし,人と向き合う専門職に就いて

西宮こども家庭センター,大津市総合保健センター 勤務
稲田さやか さん(2009年3月卒)

現在,私は週4日は西宮こども家庭センターで心理判定員,週1日は大津市総合保健センターで発達相談員として勤務しています。前者では療育手帳にかかる心理判定や,発達相談を主に担当しています。プレイセラピーを継続しているケースもあります。後者では乳幼児健診で,発達面の検査や発達相談を担当しています。希望通りに,子どもに関わる仕事に就くことができ,先輩に指導して頂きながら,勉強の日々です。
学部では心理学だけでなく教育学など幅広く学び,教員免許も取得しました。さらに,大学院ではより専門的な授業や実習で実践的に学びました。実践的な学びのなかでも最も印象に残っているのは,心理教育相談室での面接と児童養護施設でのプレイセラピーです。授業やスーパーバイズを通して学んだ心理士としての姿勢が,現在の自分の軸になっていると実感します。
今後も専門性を磨きながら,「生きにくさ」を抱えている人が少しでも生きやすくなるような支援をしていきたいと思っています。


interview02

仕事の喜びと重責の中で

ひかりのくに株式会社 勤務
長田亜里沙 さん(人間発達科学科†2004年3月卒)

現在,保育図書の編集をしています。「子どもに関わる仕事がしたい」,「本が好き」,「何かを作りたい」これらの思いが,編集の仕事を志望した原点です。
先生方をはじめ多くの方の励ましに支えられて就職できました。先輩方のご指導を受けて,現場の保育者の声を聞き,本を作っています。タイトルひとつで本の売れ行きが変わり,一語,一文字で文章の意味もニュアンスも変わってきます。
発達科学部では,卒業論文では若狭出身の女性詩人の生涯と詩を研究しました。詩を綴る中で児童劇を発見していったその女性詩人の,言葉やリズムから伝わる思いを感じ取ることを,論文作成を通じて経験させてもらえたように思います。
今日,言葉,文章のおもしろさと難しさを,読者(受け手)と著者(作り手)の橋渡しという立場で,改めて感じています。
本という形にすることは一筋縄ではいきませんが,少しでも多くの保育者のお役に立てる本を作れれば,と考えています。

† 発達科学部は2005年4月に3学科を4学科に改組しました。人間発達科学科は現在の人間形成学科の前身です。


interview03

学校教育に疑問を感じたことのある方におすすめのコースです

国立国会図書館 勤務
真子和也 さん(人間発達科学科†2006年3月卒)

私は,大学入学前から現代の学校教育制度の画一性に疑問を持っていましたので,教育科学論を志望しました。それが日本経済の発展に貢献したことは否定しませんが,もっと自由なやり方があってもよいと思っていました。こうした拙い問いに対して,コースの先生方は,多くの素材を提供しながら,自分の頭で考えるよう促してくれました。
私は現在,国立国会図書館に勤務しています。現在の仕事は,「立法調査業務」というもので,国会議員からの依頼に対して,図書館の蔵書や各種のデータベースを用いて作成した報告書を提供したり,将来国会で話題になりそうなテーマについて調査論文をまとめたりしています。常に複数の調査案件を抱え,書庫とデスクとの往復に明け暮れる毎日です。
学生時代に得た知識は社会でそのまま役立つものではありませんが,発達科学部で自分の頭で考える力を培ったことは,仕事の上でも,社会人として生活していく上でも,とても大きな財産となっています。

† 発達科学部は2005年4月に3学科を4学科に改組しました。人間発達科学科は現在の人間形成学科の前身です。


interview04

かけがえのない仲間と共に夢を実現できた大切な場所

神戸市の小学校 勤務
原田麻衣 さん(2010年3月卒)

現在,私は小学校教員として働いています。教員は小学生の時からの夢でした。発達科学部に入学した時は,周りに知り合いもいなく,不安もありましたが,学校教育論コースに入ったことでかけがえのない仲間に出会いました。
教育実習の時は,夜遅くまで残ってみんなで授業の指導案を検討したり,大学での講義では,グループに分かれて乳幼児の遊びを考えて発表したりしました。一人では成し遂げられなかったことも,信頼している仲間と共に取り組むことではじめて出来たことが数多くありました。授業以外でも,コースやゼミの仲間と公私共に楽しく充実した大学生活を送ることができました。そんな環境の中で,私は人と人との繋がりの大切さを改めて実感し,教師として,子どもたちにそのことを伝えていきたいと思いました。
今後は,子どもと一緒に遊ぶことや,子どもに近い立場で関わっていけることを最大限に生かし,子どもと共に成長していける教師になりたいと思っています。

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人間行動学科

interview01

仲間と「なぜ」を追いかける時間がここにある

株式会社朝日新聞社 勤務
福地 慶太郎 さん(2013年3月卒)

夏の野球場にこだまする歓声。拳を突きあげる選手,膝から崩れ落ちる選手。左胸のドキドキを抑えながら,ひとりひとりにカメラを向ける。その一瞬を見逃さないように。
私は現在,新聞社の記者として,高校野球などを取材しています。記事を読んだ人が「こんなことがあったのか!」と驚くような,まだ世の中に知られていないドラマやニュースを,自分の手で掘り起こすのが一番のやりがいです。
身体行動論コースは,スポーツも遊びも研究も,一生懸命な人が集まっています。実験や卒業研究の時には,ゼミ室に仲間が集まり,実験のアイディアを出し合ったりしていました。そんななかで「自分の手で新しいことを発見する仕事がしたい」と思うようになり,記者の仕事を選びました。
昔の研究を調べたり,仲間の意見を聞いたり,実験を工夫したり。試行錯誤した大学時代の経験は,いまの取材にもつながっています。これからもっと,のめりこんでいきたいと思っています。


interview02

注目度の高まる「健康科学」を学ぶことのできる充実した環境。

株式会社NTTドコモ 勤務
水間晴子 さん(2012年3月卒)

健康発達論コースは,「健康」について文科系,理科系双方問わず様々な分野を専門とする先生がおられ,「健康」について多角的に学ぶことができました。また,教員と学生間の距離が近くアットホームな雰囲気の中できめ細やかな指導を受けることができました。大学時代は部活動にも力を注いでいましたが,そのような環境のおかげで勉強と部活動を両立させることができ,非常に充実した学生生活を送ることができました。「健康」に年々注目度が高まる中,弊社においても「ヘルスケア部門」を立ち上げるなど積極的な取り組みを進めています。
私自身,現在はエリアマネージャーとしてドコモショップの運営をサポートする業務を行っていますが,今後は健康増進につながる新サービスの開発などヘルスケア分野で活躍していきたいと考えています。「健康」を多角的に学んでおくことで,今後の社会において活躍の場が広がることを確信しています。


interview03

発達科学部での大学生活で,自分の人生の軸がつくられました

長瀬産業株式会社 勤務
高田京 さん(2010年3月卒)

私は現在,長瀬産業株式会社という専門商社の人事部門で人材育成の仕事に携わっています。より会社を発展させるためにそこで働く社員に対して何をすればよいのか、ということを日々考えております。
大学では,「人」に焦点をあてて,社会的・心理的・身体的な面から様々なことを学びましたが,次第に人が歳を重ねることで起きる変化に興味を持ちました。ゼミでは加齢にともない起きる筋力やバランス能力の変化を分析し,より高齢者が健康的に生き生きと暮らすには,ということを勉強していました。
このように大学時代に感じていた「人が年を重ねても生き生きと暮らせれば」という思いは,現在仕事を通じて日々感じている「社員1人1人が生き生きと働き満足のできるキャリアをつくることができるよう手助けをしたい」という思いにつながっていると感じます。今後もこの思いを大切に仕事に精進したいと思っております。


interview04

目の前にある夢を,全力で追いかけられる場所。

神戸市立湊翔楠中学校 勤務
谷川有美 さん(2014年3月卒)

私は一つのことに夢中になるとそれに全力を注いでしまう性格なので,在学4年間はタッチフットボールにのめり込む日々でした。当然採用試験には受からず,現在は生まれ育った神戸で保健体育の講師をしています。しかし,私が歩んだ大学生活に悔いはありませんし,今それがとても活きていると感じています。皆さんにも,今しかできないことに夢中になってほしいなと思っています。学問に関してですが,発達科学部での講義を振り返ると,教師を目指す人にも,また各学科でそれぞれの専門分野を追求したい人にも,それを叶えてくれる環境が十分に整っていると,卒業した今改めて強く感じます。加えて,キャンパスに行くのが楽しみなほどアットホームで,こんなにも学部愛の強い人たちが大勢いる学部は他にないと思います。共に夢を目指す仲間,夢を支えてくれる環境こそが発達科学部の宝であり,そして人生において大切なことだと私は学んだような気がします。

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人間表現学科

interview01

表現学科で得た,今までの殻を破った新しい自分

公益財団法人八尾市文化振興事業団 勤務
山田真里江 さん(2012年3月卒)

私はホールの企画制作スタッフとして,事業の運営やボランティアのサポート,広報物の作成等をしています。もとは教員を志望し,学部・大学院の間は学校音楽教育について研究しましたが,一筋縄ではいかないテーマに悩みながら「学校」や「音楽」について深く考え,自分自身を見直した結果,現在の仕事を選びました。
表現学科の何よりの特徴は,芸術の分野に捉われず,授業や先生方,仲間たちとふれ合えることです。表現からにじみ出る仲間たちの個性や,物事に対する感じ方の変化を何度も体験した学部時代,研究の内容も手法も違う仲間との日々の会話や,先生方のアドバイスから新たな視点を見出した大学院時代。学生時代に多様な表現を学び芸術への関心を深めた私の今の目標は,芸術の面白さを多くの人々に伝えることです。表現学科では自分の興味関心に真剣に取り組む姿勢が必要ですが,そこで得られるものはきっと,それまでとは違う新しい自分だと思います。


interview02

学生時代に学んだ物事のつながり,社会人となって再確認

ストロング通商 勤務
福山詩織 さん(2013年3月卒)

現在は靴の貿易会社で働いています。海外工場や日本のお客様とのやりとりが主な業務です。発注を受けてから製品としてお客様に届くまでには多くの工程があり,様々な人と関わることになります。複雑でありながら,どの工程も欠かません。すべてがひとつの目的に通じているのです。学生時代の留学経験や語学力を活かしたいと思い現在の仕事を選びましたが,実際には意識しないうちに培った多様な力が,今の仕事に活きているように思います。
発達科学部には型にはまらず,色々なことに挑戦し,様々な考えを持つ人と関わることができる環境が整っています。人間表現学科では,芸術という広い領域を満遍なく勉強する機会がありました。それは実際に社会に出て,自分の経験するどのような物事にも意味があり,繋がりがあるという考え方を持つきっかけになったと思います。今では失敗も成功もすべて含めて,自分の成長につながるものになると実感しています。


interview03

ダンスの魅力に虜。生涯かけて携わりたいものとの出会い

公益財団法人 神戸市民文化振興財団神戸文化ホール 勤務
石名智子 さん(2010年3月卒)

学部では,ダンサーと観客の関係性について身体感覚の共有という切り口から研究する一方で,多様なジャンルを専門とする仲間とその枠を超えて作り上げる舞台作品の創造に没頭しました。化学反応のように互いに影響し合う,本当に刺激的な日々でした。より深く学びたいと思い進学した大学院では,他研究科との連携により海外で作品を披露する機会を得られたことが特に印象的でした。このように視野を広く持ち多面的に学べる環境は,総合大学ならではの利点だと思います。
そして私は現在,公共ホールに勤め,自主事業の企画・運営の仕事に就いています。それも一度転職を経て。大学院修了後は一般企業(メーカー)に就職しました。やりがいのある仕事でしたが,やはり大学での学びを追究し続けたいという思いに改めて気付き,転職へと踏み切りました。アーティストや研究者とはまた違う視点で,ホールの職員として広くダンスの魅力を伝えてゆくことが今の私の目標です。

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人間環境学科

interview01

「教科書数学だけでなく+αを提供できる教師でありたい」

兵庫県立西宮高校教員 勤務
中山美理 さん(2005年3月卒)

私が数学教諭として働き始めて,今年で10年目になります。教師の仕事は,授業はもちろん,クラス経営や行事企画,進路指導など様々です。しかし10年目の今,教師の根幹はやはり授業であり,その授業を支えているのは大学4年間での学びであると強く感じています。
大学では,それまでに見たことのないような定理をじっくり証明したり,複雑な微分方程式を解くなど,専門性の高い数学を学ぶことができました。4回生では,統計学の研究に取り組みました。実際に生のデータを扱うことで,‘社会に役立つ数学’を実感することができました。また,文理混合の学科で出会った友人たちは,現在多様な分野で活躍し,「この本が授業に役立つのでは?」など,新鮮なアドバイスを提供してくれます。
こうして今,鶴甲での4年間が私の授業を支えていることは間違いありません。数学が好きな高校生が1人でも増えるよう,これからも授業研究を続けたいと思います。


interview02

幅広い学問と,多様性豊かな人たちに囲まれて成長できる場所

環境省自然環境局生物多様性センター((一般財団法人)自然環境研究センターより派遣) 勤務
前川恵美子 さん(2008年3月卒)

現在,環境省の生物多様性センターで技術専門員として勤務しています。植生調査の経験をもとに日本全国の植生図を整備する仕事をしています。都会育ちですが,小学生の頃から自然が好きで環境保全の仕事がしたいと考えていました。
発達科学部では自然環境論コースに進み,神戸市内の団地をフィールドに植物生態学の卒業研究を行いました。生態学だけでなく,基礎物理学,分析化学,地質学,細胞生物学などさまざまな分野の知識・考え方を得られたことは私の人生を大きく広げてくれました。
私のこれまでのキャリアは決して順風満帆ではありません。在学中は悩み多き学生で,卒業時には家庭の事情のため就職も進学も出来ず,卒業後もキャリアサポートを受けていました。今の私があるのは,発達科学部のあたたかい先生方,職員の皆さん,そして同じく学びをともにする多様性豊かな人たちの中で,ゆっくり着実に成長することができたお陰だと大変感謝しています。


interview03

大学での学び・経験×探究心=テレビ番組制作でということ

日本放送協会 勤務
溝口純司 さん(2013年3月卒)

「ホームレス」「フェアトレード」「持続可能性」―大学時代に学んだこれらのテーマ,実はこれまで私が担当した番組のテーマでもあります。
私は入学時,将来の夢はありませんでした。そんな私が社会環境論コースで学んだのは,問題意識を持って現場に出ること。ゼミではテーマを決めて各地へフィールドワークに出かけました。貧困の調査ではフィリピンに行ったり,卒論ではホームレス研究で西成の日雇労働者の街に通いました。こうした経験を重ねるうちに,「今やってることを仕事にしたい!」と思い始めました。そして私はTVディレクターになる夢を見つけました。
今は夢が叶い,「問題意識を持って現場に出ること」で,多くの人に自分の興味関心事をわかりやすく伝える仕事をしています。このように発達科学部では様々な経験を重ね,追い続けたいと思えるテーマを見つけられました。将来が見えない人にこそ,この学部で未来を見つけてほしいと思います。


interview04

ここまで幅広い分野を学べる学科はこの人間環境学科だけ!!

日立造船株式会社 勤務
左近祐佳子 さん(2014年3月卒)

私はメーカーで再生可能エネルギー発電設備の営業をしています。ただ設備を売るだけではなく,事業運営をお客様と考え,様々な分野の方を巻き込みながら案件を進めていく仕事です。
私は環境問題に興味があり,文系・理系両方の視点から環境を考えられるこの学科を志望しました。そのため大学時代は理系科目も積極的に履修し,幅広い分野から環境問題について学びました。卒業論文では地域の労働者数から農業残渣バイオマス生産量を予測し,将来性評価を行いました。このように幅広い分野から環境問題を学び,この問題を改善する仕事に携わりたいと思い今の会社を志望しました。現在の仕事では,製品の技術的説明から経済性評価など幅広い知識が必要であり,大学時代に学んだ文系・理系両方の視野で物事を見るという考え方が非常に役立っています。人間環境学科に入ったからには,理系文系関係なく,自分の興味のあることを積極的に学んでください!

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発達支援論コース

interview

今の私は神戸大学での4年間があったからこそ

社会福祉法人惠伸会 サンレジデンス湘南 勤務
伊藤美友 さん(2010年3月卒)

私は今,神奈川県平塚市にある社会福祉法人で福祉用具の販売やレンタルの仕事をしながら,人事やヘルパー2級講座の事務局など法人内の様々な仕事に関わらせてもらっています。また,現在社会福祉士通信過程で社会福祉士の取得を目指して勉強中です。
大学時代は人間表現学科に所属し,自由劇場という演劇部で4年間演劇をしていました。学科のみんなと卒業公演で舞台をやれたことは,最高の思い出であると共に今の私の原動力となっています。発達科学部では本当にたくさんの人と出会い,たくさんのことを学べました。
私が現在の仕事に就こうと思ったのも,所属していた発達支援論コースの院生と話をしている中で「どんな人でも集えるような『コミューン』つくりたいよね。」という話題で盛り上がったことがきっかけ。本当にそんな居場所づくりしたいという思いが今の仕事に結びついています。将来はもちろん自分で『コミューン』を作ってそこで演劇したいですね!

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案内パンフレット 『神戸大学発達科学部・神戸大学大学院人間発達環境学研究科2016』 より