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発達科学部 カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成及び実施の方針)

発達科学部では,本学部の「教育目標」及び「学位授与に関する方針(ディプロマ・ポリシー)」に基づき,以下の方針のもとに体系的なカリキュラムを編成する。

  1. 乳幼児期から高齢期に至るまでの人間の発達及びそれを取り巻く環境について様々な側面から教育研究する本学部の目的を実現するために,これまでの学問研究の成果を踏まえ,かつ発達と環境に関わる諸課題に対する学際的視点から,学部を4学科,15履修コース(学科共通の発達支援論コースを含む)に分けて,学生をいずれかのコースに分属させ,少人数による教育を行う。
  2. 人間の発達及びそれを取り巻く環境に関する専門的知見は,それぞれの学問分野における高度に専門的内容を深めると同時に,分野横断的に学んでいくことで修得されるものである。そのため,本学部では,学部共通科目ならびに学科共通科目を開設して,それぞれの問題領域を考えていく基礎となる知識と専門的な知識とを有機的に結びつけた体系的なカリキュラムを編成する。
  3. 人間の発達及びそれを取り巻く環境をめぐる現代的な問題は,これまでの学問分野における基礎的方法論をしっかりと身につけた上で,それぞれの問題をとらえ直す共同的な営みによって解決の糸口が得られる。こうした問題解決能力を養うために,本学部では,それぞれの学問分野の基礎的方法論や技能・技術を修得させるとともに,教員と学生ならびに学生同士の対話に基づいた教育活動や,卒業研究に向けた丁寧な指導体制を用意する。
  4. 以上のような観点に留意して,教育課程を編成・実施することで,専門的知識と問題解決能力をそなえた自律的な人材を養成する。

学科別カリキュラム・ポリシー

人間形成学科
  1. 人間の誕生から高齢期に至るこころ及び諸能力の発達並びに人間形成に関わる諸要因について,社会的及び文化的な観点から教育研究を行う本学科の目的を実現するために,心理発達論,子ども発達論,教育科学論,学校教育論の各コースに学生を分属させ,各教員の特性を活かした少人数教育を重視しつつ,専門領域に関する知識を体系的かつ深く修得できるようなカリキュラムを準備する。
  2. 人間の形成について,個別専門領域のみにとどまることのない包括的な知識を修得させるために,学部共通科目と関連させながら,あるいはその基礎の上に学科共通科目を開設して,心理発達,子ども発達,教育科学,学校教育に関する基盤的科目を学科所属の学生全員に履修させる。そのことによって,人間形成に関わる諸学問を有機的に結びつけつつ,学際的な課題意識,接近方法,専門知識等の修得を目指す。
  3. 人間の形成をめぐる現代的諸課題に対する問題解決能力を養うために,各専門領域における調査手法・研究方法等について,基礎的段階から応用的発展的段階へと円滑に学ぶことができる綿密かつ体系的なカリキュラムを準備する。これらの科目においては,学問における共同的な営みの重要性に鑑み,教員と学生ならびに学生同士の対話に基づいた教育活動や,卒業研究に向けた丁寧な指導体制を用意する。
  4. 以上のような観点に留意して,教育課程を編成・実施することで,こころ及び諸能力の発達,人間形成の社会的文化的要因に関する専門的知識と問題解決能力をそなえた自律した人材を養成する。
人間行動学科
  1. 人間の行動と発達について,自然科学及び人文・社会科学の面から総合的に教育研究を行うという本学科の目的を実現するために,人間行動に関する諸科学の体系に従って広範な知識を授けるとともに,健康発達論コース,行動発達論コース,身体行動論コースの3つの履修コースを設定し,学生をいずれかのコースに分属させ,少人数による教育を行う。
  2. 人間の行動は複雑かつ高度化し,基礎となる諸学問分野おいて高度に専門的知識を深めると同時に,分野横断的に人間行動を学んでいくことが不可欠である。そのため,本学科では,人間行動に関する学際的な知識を涵養する学科共通科目を開設するとともに,各コースの専門科目に他コースの科目を共有することにより,それぞれの問題領域を考えていく基礎となる知識と専門的かつ学際的な知識を有機的に結びつけた体系的なカリキュラムを用意する。
  3. 人間行動に関する現代的な問題は,これまでの学問分野における専門的知識をしっかりと身につけ,さらにそれぞれの問題をとらえ直す実践的な営みによって解決の糸口が得られる。こうした専門的知識と実践的な問題解決能力を養うために,本学科の各コースでは,専門的知識の修得にいくつかの学習目標を設定するとともに,問題解決能力の育成においては,研究能力と実践的能力の修得を目指すカリキュラム体系を導入する。
  4. 以上のような観点に留意し,さらに教員と学生ならびに学生同士の対話に基づいた教育活動や,卒業研究に向けた丁寧な指導体制を用意することで,専門的知識と問題解決能力をそなえた自律した人材を養成する。
人間表現学科
  1. 私たち人間は,長い歴史にわたって,その時々の環境のもとで様々な表現を行い,その時代に固有の文化を生み出してきた。とりわけ,音楽や造形,舞踊といった文化的形態での創造的表現は極めて人間的な行為であり,人間の発達や変容にとって欠かすことのできない重要な営みである。人間表現学科では,こういった人間の創造表現の本質を,表現に関わる文化や創造実践,またそれらの基盤となる感性といった多様な視点から総合的・学際的に探究する。
  2. 学生は,1年次から,人間の創造表現に関する概論を中心とする第1群(文化・芸術に関する横断的科目)をバランスよく履修し,人間の表現に関わる問題群へアプローチするためのさまざまな考え方や方法を多面的に学ぶ。こうした一連の学習を通じて学ぶ方向性を見定めながら,2年次からは第2群(文化・芸術に関する専門的科目)の履修を通じて,人間の表現に関わるより専門的な課題に対する洞察を深めていく。このように,人間表現学科では,人間の創造表現の本質に関して,多様な視点による総合的かつ柔軟な探究ができるような有機的カリキュラムが提供されている。
  3. 学生は,3年次より各研究室に配属される。多様な横断的、専門的科目群の履修を通じて先鋭化された各々の興味・関心に沿い,「表現すること」を通じて,あるいは「表現することの意味」や「表現する行為そのもの」,「表現されたもの」の探究を通じて,人間表現に関わる卒業研究に取り組んでいく。また,学科必修科目として設定された「人間の発達と表現演習」において,学生による研究の相互理解を深めるとともに,個々の研究課題に即した問題解決能力を養うことによって質の高い卒業研究の達成を目指す。
  4. 以上のような観点とカリキュラムをもとに,学生・教員同士のコミュニケーションを通じて,主体的な学びの促進を図ると同時に,人間表現に関する専門的知見と問題解決能力を備えた自律的な人材を養成する。
人間環境学科
  1. 人間環境学科は,人間発達のあり方に関わる環境の諸問題を,自然科学・人文社会科学の枠,従来の分断された学問領域を超えて総合的に追究しうる能力を育てることを目標としている。学生は,1年次に学科単位で人間環境に関わる基礎的な知識を広く修得する。2年次に4つのコース(自然環境論,数理情報環境論,生活環境論,社会環境論)に振り分けられ,主としてコース単位で学習を進める。3年次以降ゼミに配属され,さらに少人数教育のなかで研究をより深めるとともに,学んできた知識を再び人間環境学として統合する。4年次には指導教員の下で,各人のテーマに基づく卒業研究に取り組む。
  2. 学生は以下のカリキュラム構成の中で学習を深めてゆく。1年次に学科共通科目を履修し人間環境学科の概要的知識を得る。また,4つのコースに関わる研究基礎(概論)を学ぶ。2年次より所属各コースに応じた専門科目を学ぶだけでなく,人間環境研究の実践的手法について修得する。3年次にはより細分化された専門性を磨くと同時に,人間環境学として知見を再度統合するために学科共通科目を履修する。こうした過程をへたうえで創造的研究の総括として4年次に卒業研究を仕上げる。
  3. 以上のカリキュラムを通じて,学生は人間発達に関連する諸環境につき,従来の視野にとらわれない幅広い知見を身につける。同時に,人間環境学は新しい問題設定領域であるため,学生には主体的創造的な知的作業が求められ,その過程を通じて学問上のみならず実社会においても要求される問題解決能力が涵養される。
発達支援論コース
  1. ヒューマン・コミュニティ創成研究センターの5部門(労働・成人教育支援,子ども・家庭支援,ジェンダー研究・学習支援,障害共生支援,ボランティア社会・学習支援)で実施されているアクションリサーチ(実践的研究)への参加を通して,多層多元的な社会セクター(NPO・NGO,企業,行政など)との連携や複数の学術領域の横断的つながりの重要性を理解し体現しえる「新しいタイプのジェネラリスト」の養成をねらいとする。
  2. 学生は,一定の履修要件を満たしたのち,3年次進学時において学部内のどの学科からも編入することが可能である。2年次までに培った本学部の他コースの専門的知見を基礎に置きながら,その応用・発展を実践フィールドにおいて体験する。実際の場面において生じるさまざまな課題を発見・考究するとともに,その解決に資する理論や実践的方策を身につけてゆく。
  3. 学生は,原則として,本コースが開講する演習のうち,少なくとも2つを履修する。領域の異なるフィールドへの参加を経験することによって,実践の内容・手法の異同を確認し,多様な支援の技法・原理を修得する。演習では,フィールドワークだけではなく,実践に関係する文献の講読・討議,ワークショップ形式による企画創成やリフレクションなどを行い,学生の主体的な学習を支援する。
  4. 発達科学部の多様な授業リソースを最大限に活用できるようにするために,コース固有の授業のしばりをできるだけ少なくしている。指導教員や副指導教員体制(他コース教員も含む)と相談しながら,学生は,他コース開講科目を含む多様な授業科目の中から学習目標に適合した授業を選択し,各自のカリキュラムを作成する。卒業研究では,こうした学科横断的かつ臨場的な研究コミュニティのなかで,「仮説の構築→実践→省察→新たな知見の発見・新しい実践の創出」というサイクルに基づいた実践的研究の成果をまとめる。
  • 発達支援論コース開講科目
    • 2年後期:発達支援論研究
    • 3年前期:発達支援論演習(子ども・家庭支援論),発達支援論演習(労働・成人教育支援論),発達支援論演習(ヘルスプロモーション論),発達支援論演習(ジェンダー研究・学習支援論),発達支援論演習(障害共生支援論),発達支援論演習(ボランティア社会・学習支援論)
    • 3年後期:発達支援研究法
    • 4年:卒業研究

学習目標と授業科目