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神戸大学発達科学部 人間表現学科 ~人間のあらゆる営みを,「表現」をキーワードに解明する~


人間表現学科長
塚脇 淳 教授

学科長からのメッセージ

私の最初の授業(創造の発想とプロセス)では,新入生に等身大の自画像を描いてもらっています。受講生は美術受験で入学した学生だけでなく,音楽や身体表現,学科試験や論文で入学した学生と多様です。当然,初めてデッサンをする学生もいて描くことの基礎から始めなくてはならないが,その大きさから,上手い下手といったことが意味を成さなくなり,終わってみれば皆それぞれ個性豊かな仕上がりになっています。そこには今現在の「私」が立ち現われています。

そしてそれに対峙する生身の自分。不思議で奇妙な感覚です。この授業の意味は,人間を研究する学部にあって,まずは人間と等価・等身であることについて考えてもらうことにあります。「等身であることから出発し,等身であることに帰結する」。これが「表現」を学ぶときにはとても大切なことであると思うのです。そのことから人間のさまざまの営みや芸術や文化の研究に,そして地域性やグローバルといった観点においても,自分の立ち位置が見えてくるのではないかと考えています。

人間表現学科の理念

 広い知識を授けるとともに,音楽,造形,パフォーミングアーツ等の人間の様々な表現や創造活動について教育研究を行い,教養並びに表現領域についての幅広い知識や個々の領域における専門的な知識及び技術を身に付け,研究,創造及び社会的実践に関する優れた能力を有する人材を養成することを目的とします。

教育の特色

表現の原初に立ち帰る
人の表現行為は,日常の何気ない所作や立居振舞から「芸術」と呼ばれるものまで,実に多様です。その現れ方は,音声や身振りに始まり,身体や道具を使っての音,色,かたち,香り,味などの創造へと多彩に発展しますが,すべては人間の五感に基づくものです。近年のテクノロジーの進歩は,この表現の実体までも曖昧にしていくかのようですが,私たちは,変容し続ける人間の表現や表現行為について,まずその原初に立ち帰って考えます。
複眼的アプローチで挑む
表現は,私たちの生の反映です。私たちのひとりひとりの一挙一動には,その影響と反応を,無限に繰り返し共有するコミュニケーションのサイクルが内包されており,それが歴史を創るのです。その混然一体となって姿を変える人間表現の解明に,私たちは,「表現することの意味」や「表現する行為そのもの」,「表現されたもの」といった複眼的な視点から果敢に挑戦します。
アート/ヒューマンインターフェースの研究・開発を目指す
専門性を高めることは何より重要なことですが,その上で私たちが目指すのは,本来,分かちがたく渾然一体となった表現領域から細分化されてきた専門分野を,「表現」を鍵にして結び合わせようとする刺激的な教育研究の場です。ここから,多彩な表現世界を自由に往来して,深い人間理解と洞察のなかから新しい表現と価値を生み育て,人と人をつなぐ豊かなアートの創造と研究に携わる人材が生まれていくことを願っています。

関連情報

コース紹介

コース名 コースの概要
人間表現論コース 人間のあらゆる営みを,「表現」をキーワードに解明する。 続きを読む

主な取得可能な資格免許

中学校教諭一種免許状(音楽)/中学校教諭一種免許状(美術)/高等学校教諭一種免許状(音楽)/高等学校教諭一種免許状(美術)/学芸員*/社会教育主事*/社会福祉主事任用資格*/環境再生医資格*
(*すべての学科に共通の資格免許)