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生活環境論コースの魅力

日常生活の現場から環境のあり方を追究する

昔,「 大人になる」とは親世代と同じ暮らしをすることでした。しかし現代の私たちは,誰も「大人になれば親世代のように暮らす」などとは思えません。私たちの暮らしと,それを取り巻く環境との変化は,それほど激しく急速になっています。日々創られる最先端技術は日常生活の利便性を高める一方で,暮らしと環境に関わる新たな課題も生み続けています。生活の基礎条件である衣食住さえ,つねにその様相を変え続けています。さらに住まいから近隣,都市までの生活を取り巻く空間の変貌ぶりは言うまでもありません。私たちの生活環境は,かつてなく複雑な状況の中に置かれているのです。

そこで生活環境論コースは,日常生活と環境の関係をどのように理解し,組み立てるべきかという問題に対処できる人材の養成を目指しています。具体的には私たちが暮らし,働き,憩うための空間をどのように創造すべきかについて,住居,福祉施設,緑地,都市などの空間の実態を調べ,生活環境のあり方を考える「生活空間領域」,さまざまな技術が,衣食住にかかわる生活用品や健康と福祉にかかわる機器などにどのように用いられ,暮らしの環境に影響を及ぼしているか,その現状を把握し,技術利用の方向性を考える「生活技術領域」,食糧,水,エネルギーなどの資源環境と暮らしがどのような関係をもつべきなのかを追究し,生活のための資源利用・保全・管理の方法を考える「生活資源領域」という3つの領域から生活環境を捉えます。実験,フィールドワーク,シミュレーションを組み合わせて生活環境の分析を進め,生活製品設計の提案,福祉機器開発,食糧生産のあり方,まちづくりへの参画,高齢者施設計画への参加,環境負荷低減など,実践的なプロジェクトを重視して問題解決のための教育・研究を行っています。