- 趣旨
- 思い起こされた出来事にはそれぞれ固有のトーンがある。思い出を語ることも,想起の仕方によっては,語られていることを今生きているかのようにリアルな場合がある。その中には,自己の生の歴史(ライフヒストリー)に位置づけにくいものもある。できればそのテーマにふさわしい場所を協働で作りたい。一つ一つの出来事を再創造する。このような再創造は過去遡及的であるが,同時に今のこの時において未来への見通しを与えてくれる。その時どこかに追いやっていた「わたし」が動き出す。
学術Weeks2013では,西平直氏よりライフヒストリー研究の先駆者エリクソンの人間探求の方法を基調講演でお話しいただき,門池啓史氏より奇跡ともいえる聞き語りの記録『長い旅路~日本兵になったアメリカ人~』(NHK放映)DVDを視聴しながら,制作のプロセスを語っていただく。個別の生における出来事が集合的,社会的な記憶へとつながる。関わる人々とコミュニティの回復,それを媒介する行為,言葉,イメージの働きについて,議論を深めたい。ライフヒストリーを語り聞く実践を人間科学における固有の方法として立てていく探求を行いたい。 - 日時
- 2013年11月22日(金) 13:30~17:30 <1日目>
- 2013年11月23日(土) 10:30~16:00 <2日目>
- 場所
- 神戸大学発達科学部 大会議室(A棟2階)
- プログラム
- <1日目>
- 開会挨拶・趣旨説明 (13:30~13:45)
- 基調講演・質疑応答 (13:45~15:15)
西平直『ライフヒストリー,アイデンティティ,ジェネレイショナル・サイクル-E.H.エリクソンの理論地平から-』 - 院生発表 (15:30~16:30)
- 上田舞 『青年期女子におけるパーソナリティの二面性とアイデンティティとの関連』
- 竹井夏生 『聖と穢れの源泉あるいは彼方へ―大阪・上町台地を導きとして』
- ラウンドテーブルセッション① (16:45~17:45)
『ライフヒストリーを聴くとは?』
シンポジスト : 野村直樹,山口智子,野村晴夫,田代順,末本誠
ファシリテーター : 森岡正芳 - 懇親会 (18:30~20:30)
JR六甲道付近にて(神戸大学発達科学部から15分程度)
*多くの方のご参加をお待ちしております(予算3000円程度の予定)
<2日目>
- DVD上映 (10:30~12:30)
門池啓史 『長い旅路~日本兵となったアメリカ人~(前・後編)』 - ラウンドテーブルセッション② (13:30~15:00)
『長い旅路~日本兵となったアメリカ人~ 門池先生を囲んで』
パネリスト : 門池啓史,野村直樹,山口智子,田代順,末本誠
ファシリテーター : 森岡正芳 - 総括討議 (15:15~16:00)
ファシリテーター : 森岡正芳
(会場全員参加)
- 主催
- 神戸大学大学院人間発達環境学研究科 学術Weeks2013
- 共催
- 科研基盤研究(A)「生活史法による臨床物語論の構築と公共化」
神戸大学大学院人間発達環境学研究科プロジェクト研究経費 - お問合せ先
- 神戸大学大学院人間発達環境学研究科人間発達専攻 森岡 正芳