- 日時
- 2014年3月8日(土)13:30 - 17:30 (受付 13:00より,終了後交流会あり)
- 場所
- 神戸大学社会科学系アカデミア館 5F 501室
(〒657-8501 神戸市灘区六甲台町2-1) - アクセス
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- (バス)阪神「御影」駅,JR「六甲道」駅,阪急「六甲」駅から,神戸市バス36系統鶴甲団地行,鶴甲2丁目止まり行き乗車,「神大正門前」下車
- (タクシー)阪神「御影」駅より約15~20分,JR「六甲道」駅より 約10~15分,阪急「六甲」駅より約5~10分
- 参加費
- 無料 (交流会(17:50 - 19:50)は別途会費3,000円が必要です)
- 申込方法
- 以下6点を下記の連絡先にメールかFAXでお申し込み下さい。
- [参加者氏名(漢字・カナ)]
- [所属団体・部署・役職等]
- [郵便番号・住所]
- [電話番号]
- [メールアドレス]
- [懇親会](参加する/参加しない)
※お申し込みの際にいただく個人情報は,本フォーラムの運営と今後の同趣旨のイベントのご案内以外には利用いたしません。今後のご案内が不要の場合は,その旨お申し出ください。
- 連絡先
- 【E-mail】 fm-14 [at] h[dot]kobe-u[dot]ac[dot]jp
- 【FAX】 078-803-7979
- 主催
- 神戸大学発達科学部・神戸大学大学院人間発達環境学研究科
- 神戸大学サイエンスショップ
- 共催
- 総合地球環境学研究所
プログラム
13:30 - 13:40 | 開会の挨拶 |
13:40 - 14:15 | 基調講演 原山優子 (内閣府総合科学技術会議) 科学技術イノベーション政策と人材育成 |
14:15 - 14:40 | 話題提供1 阿部健一 (総合地球環境学研究所) なぜ行動をおこさないのか:Knowledge, Learning, and Social Change |
14:40 - 15:00 | 話題提供2 笠 潤平 (香川大学教育学部) 市民の科学リテラシーと科学者の社会リテラシー |
15:00 - 15:20 | (休憩) |
15:20 - 15:40 | 話題提供3 長田典子 (関西学院大学理工学部,兵庫県教育委員) 兵庫県における人材育成への期待 |
15:40 - 16:00 | 話題提供4 川勝和哉 (兵庫県立加古川東高等学校) 高校生の課題研究活動と小学校との連携 |
16:00 - 16:15 | 話題提供5 伊藤真之 (神戸大学人間発達環境学研究科,神戸大学サイエンスショップ) サイエンスショップの取組と兵庫県における地域連携 |
16:15 - 16:30 | 話題提供6 蛯名邦禎 (神戸大学人間発達環境学研究科,神戸大学サイエンスショップ) 未来の市民と未来の科学者育成のための多角連携構想 |
16:30 - 17:30 | ディスカッション |
17:30 - 17:40 | 閉会の挨拶 |
17:50 - 19:50 | 交流会 (アカデミア館1F BEL BOX) |
【開催の趣旨】
グローバル化の急速な進展にともない,多様な価値観が複雑に交錯しながら絶えず急激な変化に見舞われ,将来の不確実性が大きな21世紀の社会では,ビジネスや産業,その他の社会セクターにおいても,自ら課題を発見し自発的に探究を進めていく研究者的な資質を持った人材が求められるようになってきています。それと同時に,アカデミアの研究者も,専門的な知識や能力だけでなく,幅広い視野と社会的関心,企画力やコミュニケーション能力,さらにコーディネート力などが求められるようになってきました。このような資質と能力を持った人材を育成するには,高校,大学を通じて,自発的な学びや研究活動を支援する環境の提供が必要です。
一方,社会の中での大学の役割が厳しく問われる今日,大学は自らの役割を再定義するだけでなく,その社会との連携が重要になって来ています。産学官民の連携に始まり,高大連携も模索されています。また,大学は地域連携の中核としての役割を果たすことも期待されています。それに加えて,最近では,高校と産業界の連携や,小中高の異校種の連携も始まっています。このような状況において,自ら問題を発見し他者と協働しつつ研究能力を発揮して課題解決に当たる人材,社会性とリーダーシップを兼ね備えた研究者的資質を有する人材の育成に,初等中等教育・高等教育関係者,産業界,行政,市民が互いに協力し合い,人材育成のビジョンや実践事例に関する情報を共有し,相互に意見交換し合うネットワークの形成が重要ではないでしょうか。高校や小中学校で探究型人材育成教育に関わる教員の方々や,企業で経営や人材育成に携わる方々と,大学で教育に関わる者との間で忌憚のない意見を交換する場を提供できればと考え,この多角連携フォーラムを企画いたしました。
神戸大学発達科学部・大学院人間発達環境学研究科では,2005年度より,高校と大学の接続点である入試に焦点をあてて,「理系AO入試が開く科学者のトビラ」というフォーラムを開催してきました。このたび,その視程を高大接続とそのための連携からさらに拡大し,21世紀に求められる人材の育成,特に「未来の市民」,「未来の科学者」,「未来の政策立案者」を育成するためにビジョンを共有し,その協働によって持続可能な社会を共同で作り上げていくことに関する意見交換と交流の機会を持つことを企画いたしました。年度末の多忙を極める時期ではありますが,ふるってご参加くださいますようお願いいたします。
【報告】
2014年3月8日,「第1回未来社会を担う人材育成のための多角連携フォーラム ~多様なセクターによる持続可能な社会の共創に向けて~」を,神戸大学社会科学系アカデミア館にて開催いたしました。
初めに,内閣府総合科学技術会議の原山優子氏より「科学技術イノベーション政策と人材育成」について基調講演をしていただきました。まず,今回のフォーラムのキーワードのひとつである人材育成に関し,日本は世界各国と比較して相対的にどのような状況にあるのかについて,お話いただきました。また,人材育成は各国で重要な課題であるとし,米国や欧州連合,シンガポールが取り組んでいる政策やシステムを紹介していただきました。そのうえで,これからの人材に必要なスキル,そのための新しい教育方法の必要性とその方向性について,日本の課題とその中での企業の役割の重要性を述べられました。
続いて,6つの話題提供がありました。まず,総合地球環境学研究所の阿部健一先生より,先の原山先生の基調講演を受けて,これからの人材に必要とされるスキルの重要性と,多様な専門性と資格を持つ人材の出会いがイノベーションに重要であることを改めて強調されました。また,多様な専門性を持つ人材の出会いの場として総合地球環境学研究所の紹介をしていただきました。
つぎに,香川大学教育学部の笠潤平先生より,科学的リテラシーには科学的知識や理解だけでなく,科学の方法や科学と社会との関係を理解することが必要であると,イギリスの教育システムを例にお話しいただきました。また,科学者や科学教育者の社会リテラシーについても述べられました。
三つめには,関西学院大学理工学部・兵庫県教育委員の長田典子先生が,企業との共同研究の中で,社会貢献が学生を育てることを感じておられると研究室紹介の中で述べられました。また,教育委員として,兵庫県の教育の特徴,理数教育,イノベーター育成へ向けてお話をしていただきました。
四つめは,兵庫県立加古川東高等学校の川勝和哉先生より,SSH校の地学部顧問として,活動内容について研究方針から地域でのネットワークつくりまで,具体的な紹介をしていただきました。さらに,文・理問わず,調べてみようという風潮を日常的に持つことが大事ではないかと述べられました。
続いて,神戸大学人間発達環境学研究科の伊藤真之より,サイエンスショップの取組みと兵庫県における地域連携について紹介がありました。
最後に,神戸大学人間発達環境学研究科の蛯名邦禎より未来の市民と未来の科学者育成のための多角連携構想について話がありました。
ディスカッションでは,「育成すべき人材像とは」,「イノベーションとソーシャルチェンジについて」,「今後の教育システムのあり方」について,それぞれの立場から活発な意見交換がなされました。
参加者は,教育,研究,企業,官庁関係など多方面より,総勢53名でした。