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[カフェ「アゴラ」] アトリエKOKI展:トークショー「木下真理子さんに聞く」が開催されました




2019年7月8日に,木下晃希さんのお母様,木下真理子のお話を伺うトークショーが開催されました。当日は神大生を中心に,職員の皆さん,晃希君の恩師の方など,多くの方にお越しいただきました。
聴き手は,カフェ「アゴラ」の立ち上げから関わってきた津田英二先生と現運営委員長(交流ルーム運営委員会)で特別支援教育における学びについても研究されている赤木和重先生。

晃希君の絵にみられる創造性,際立つ色の豊かさ,構成力などを成長とともに,どのように見守ってきたのか,きっかけなどについて,お話を伺いました。

真理子さんは晃希君が幼稚園のころに最初に描いた「水色のキリン」の絵を今でも,大切に自宅の玄関に飾っているといいます。そして,お母さんが自分らしく生活に楽しみを見出す中で,自然と晃希君のまわりにも理解者が増えていき,それが彼の絵を描く上でも刺激になっているのではないか,と話されました。

フロアの美術教育の専門家からは「晃希君の絵には,世界を肯定的に捉えている明るさが満ちている。動物の様々な表情は,彼の心の心象風景が映し出されているのではないか」とのご意見もありました。お母さんの見守りの眼差し,気づきが大切であるように,発達に必要なのは,「安全安心」のみならず,世界を「楽しむ」ことなのでは,という聴き手の先生の言葉も印象的でした。晃希君は,このトークショーの間にも絵を描くことを楽しみ,新作を仕上げて,聴いている方に見せてくれました!

最後に,真理子さんのメッセージとして,「発達や様々な問題を抱えている人に,関わりをもってください」という言葉が心に響きました。その小さな関わりが積み重なって,発達を促すだけでなく,私たちの社会をも開き,相互に気づきを与えてくれるのかもしれません。(文責・大田美佐子

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