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教員情報(INAHARA Minae)

氏名・職名 稲原 美苗(いなはら みなえ,INAHARA Minae)准教授
メールアドレス minaeinahara [at] penguin.kobe-u.ac.jp
取得学位 Ph.D. (The University of Hull)
研究分野 ジェンダー理論,現象学,臨床哲学
[学部] 所属 発達支援論コース
研究テーマ

社会的・文化的な規範を基に構築されてきた性差(ジェンダー)の問題を切り口として,私たちが「当たり前」とみなしている世界を多角的に考察していきます。

[大学院] 所属 [博士課程前期課程] 人間発達専攻 学び系講座, 1年履修コース
[博士課#091;博士課程後期課程] 人間発達専攻 学び系講座
[(旧)博#091;博士課程士課程前期課程] 教育・学習専攻 発達支援論コース, 発達支援論コース(1年履修コース)
[(旧)博士課程後期課程] 教育・学習専攻 発達支援論分野
研究テーマ

ジェンダーに関する思想(哲学)を基盤にして,「当たり前」を再考する研究をしています。「男性と女性」,「自己と他者」,「身体と精神」,「正常と異常」などの関係性を考察し,共生社会の可能性を探っています。

研究者情報 神戸大学研究者紹介(KUID)
教員サイト
研究室紹介 ジェンダーを学び,「当たり前」の世界から飛び出しましょう

この研究室でのさまざまな取り組みは,ジェンダーに関する「当たり前」を問うことと密接に結びついています。ジェンダー・スタディーズにとって,「問う」という行為は根幹に位置しますが,この行為は,大学の教室で書籍や教員を目の前にして考えることだけを意味するのではありません。実際に自分で経験し,日常生活の中で自分自身に疑問を持つことも大切です。ジェンダーを学ぶことによって,あらゆる関係性を問う力を持てるようになります。例えば,「男性なら○○すべきだ」とか「女性だから○○はできない」といった,個々人の特性や能力を考慮せずに,性別によって「当たり前」を押し付けられた経験をした人も少なくないと思います。このような「当たり前」は,生まれつき押し付けられたものではありません。それぞれの社会や文化によって作り出された規範です。「当たり前」の世界から飛び出して,自らの可能性を探るために,ジェンダーを学びませんか。

研究最前線 ジェンダー研究の視点から世界を多元的に検討しましょう

ジェンダー理論,主にフェミニスト現象学,精神分析のフェミニスト的解釈,身体論ほか,20世紀の女性哲学者の思想研究を軸に,身体,コミュニケーション,社会,セクシュアリティなどについて探求してきました。ジェンダー研究の実践として,障がいのあるお子さんを育てているお母さんたちに対して哲学対話(哲学カフェ)を行い,彼女たちの語りについて質的研究をしています。近年,現象学の研究領域で展開されてきている質的研究を応用し,哲学対話で得た語りに関する質的研究の可能性を探究し,哲学カウンセリングや当事者研究などの実践と研究に取り組んでいます。
ジェンダーの視点を身につけるためには,私たちの社会や文化に浸透している男女二元論や異性愛主義的の「当たり前」を疑問視し,世界を多元的に検討しましょう。ジェンダー研究をするということは,階級・階層,人種・民族・国籍,教育,障がいの有無なども含めた,あらゆる不平等な関係性を問うことから始まります。社会制度の中の区別がどのように差別になっていくのか,そして,その差別はどのように構築され,不可視化されていくのかをじっくりと考察しましょう。これまでのジェンダー研究が培ってきた学際的なアプローチを活用して,複雑な問題を解決できるように修練していきましょう。皆さん一人一人の研究についての関心に従い,ある問題を掘り下げて考えるということは,研究を進めていく上で欠かせないことだと思います。しかし,ジェンダー研究するということは,単に専門分野を探求するということだけではありません。日常生活の中で人々の声を聴いて,それぞれの異なる世界観を考察することです。このような研究をするためには,複数の学問分野にかかわり,自分の視野を絶えず拡張していく姿勢が求められます。一人一人の声に耳を傾け,それにどのように応えるのかをじっくりと考えることも,ジェンダー研究には重要なことです。