本ウェブサイトは2022年3月末をもって閉鎖いたしました。このページに掲載している内容は閉鎖時点のものです(2022年3月)。

教員情報(INOUE Mari)

氏名・職名 井上 真理(いのうえ まり,INOUE Mari)教授
メールアドレス inouema [at] kobe-u.ac.jp
取得学位 博士 (学術) (奈良女子大学)
研究分野 衣環境学,感性工学
[学部] 所属 人間環境学科 生活環境論コース
研究テーマ

着用感・使用感の良い製品設計のために,繊維状材料をはじめ生活の中で人が触れて用いる材料の特性と人間の感覚との関係を捉える研究を行っています。

[大学院] 所属 [博士課程前期課程] 人間環境学専攻 生活環境論コース
[#091;博士課程後期課程] 人間環境学専攻 生活環境論分野
[(#091;(旧)博士課程前期課程] 人間環境学専攻 生活環境論コース
[(旧#091;(旧)博士課程後期課程] 人間環境学専攻 生活環境論分野
研究テーマ

布の風合い(触感)・衣服圧・衣服内気候を,材料特性から実験的,理論的に解析し,着心地の良さをもたらす製品を設計,提案する研究を行っています。

研究者情報 神戸大学研究者紹介(KUID)
教員サイト 教員のウェブサイト
研究室紹介 多面的な視点とチャレンジ精神で衣環境を極める

毎日の生活に欠かせない衣服は,持ち運びできる環境と呼ばれています。衣服は人間が本来備えている生理的な機能をカバーするとともに,深海から宇宙にまで行動範囲を広げることを可能にしました。衣環境研究室では,繊維,糸,布または皮膚に関する基礎研究とともに,衣服,紙おむつなどの衛生用品をはじめ,住居や自動車などに用いられる繊維製品を対象に,着心地,使い心地といった感覚を客観的に評価する研究を行なっています。

人を主体とした品質の高い繊維製品を,伝統的な天然繊維から先端技術としての高機能繊維まで含めた有限な資源を利用して,適切な用途に応じて設計することを研究テーマとしています。ハイテクノロジーが身近な生活にどんどん入り込んでいるこの時代,技術に翻弄されるのではなく,利用しながら主体的に生きていくことが必要です。生活そのものを多面的に観察し,チャレンジ精神を持ち,身近なことに問題意識を持った人材を育てていきたいと考えています。

研究最前線 人間を基軸とした衣環境学は幅広い分野のコラボレーション

布の触感・風合いを客観的に評価する,すなわち人間が主観的に評価している布の触感を,機械で測定して得られる力学特性や表面特性,熱・水分・空気の移動特性等の物理特性を用いて客観的な数値に置き換えるという研究は,1970年頃から盛んに行われ,スーツ地やワイシャツ地,肌着等,用途に応じた被服材料の客観評価式が次々と開発されてきました。私の研究室では,これらの研究を基にして,生活において用いられる材料の着心地,使い心地の良さと材料特性の関係について研究を行っています。ここ数年の研究で,被服材料の風合いの客観評価が,自動車シートや鞄に用いられる皮革や布,ティッシュペーパー,紙オムツなどの衛生用品の肌触り,さらには携帯電話等の基板の触感,質感の客観評価に応用できることが明らかになりました。材料特性そのものの絶対値は硬い材料,柔らかい材料で大きく異なりますが,人間が生活の中で触れて用いる材料の触感の良さに対して,材料の力学特性や表面特性が及ぼす影響の関係性が類似した傾向を持っていることもわかってきています。衣料用の天然繊維や化学繊維はもとより,蜘蛛糸繊維から高強力高弾性率で知られるケブラーやカーボン繊維の特性や繊維を束ねて撚りをかけて作られる糸の特性を測定する装置を揃えていますので,繊維,糸,布の設計理論を構築する研究を行って最終用途の製品設計の基礎資料としています。現在,衣環境学分野では国際的にセンシング技術を駆使したスマートテキスタイル,ウェアラブルコンピュータの研究が注目を浴びています。これらの研究ではセンシング技術,コンピューティング技術だけでなく,人体生理,乳幼児から高齢者までの身体的・心理的発達そして感性工学といった人間を捉える研究が必要です。私の研究室でも様々な分野の専門家との交流をはかり,多面的な視点で見た衣環境研究としてスマートテキスタイルの研究にトライしています。