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教員情報(KAWASAKI Yoshiko)

氏名・職名 河﨑 佳子(かわさき よしこ,KAWASAKI Yoshiko)教授
メールアドレス kawasaki [at] diamond.kobe-u.ac.jp
取得学位 博士 (教育学) (京都大学)
研究分野 臨床心理学,発達臨床心理学
[学部] 所属 人間形成学科 心理発達論コース
研究テーマ

聴覚障害児の心理発達と家族支援について研究してきました。近年は,被虐待児童への心理的ケアについて乳児院・児童養護施設を舞台に取り組んでいます。

[大学院] 所属 [博士課程前期課程] 人間発達専攻 こころ系講座, 臨床心理学コース
[博#091;博士課程後期課程] 人間発達専攻 こころ系講座
[(旧)#091;博士課獚士課程前期課程] 心身発達専攻 臨床心理学コース
[(旧)#091;(旧)博士課程後期課程] 心身発達専攻 心理発達論分野
研究テーマ

聴覚障害児の心理発達と家族支援について研究してきました。近年は,被虐待児童への心理的ケアについて乳児院・児童養護施設を舞台に取り組んでいます。

研究者情報 神戸大学研究者紹介(KUID)
教員サイト
研究室紹介 論文を書き上げるまでのプロセスを共に歩む

発達臨床,親-乳幼児関係の支援,聴覚障害児・者の心理を中心に学びます。私のゼミに所属する学生の多くは,乳児院や児童養護施設で育つ子どもたちの心理発達や聴覚障害児・者の心理に関心を寄せています。学部生と大学院生が共に集い,それぞれの研究テーマについての発表とディスカッションを重ねながら,論文作成に向けて,好奇心,論理的思考,対人関係力,実行力,粘り強さを磨きます。

研究最前線 「心の風景」を求めて ― 聴覚障害児,被虐待児への心的支援の実践的研究

私の主要な研究領域は,「聴覚障害者に対する臨床心理学的支援」です。心理療法の対象にはきこえない人たちも存在することに気づき,手話を習い始めのがきっかけでした。手話に関する言語学的研究や,手話を母語とする人々の文化などについて学びながら,「目から鱗」の体験をとおして,心理臨床家としては,きこえない子どもたちから手話を奪ってきた口話主義聾教育の歴史と当時の状況に強い疑問を抱きました。そして,彼らの「心の風景」を知りたいと思ったのです。今から20年余り前のことです。
こうしたことは心理臨床においては前人未踏の領域でしたので,福祉施設やろう学校にかかわりながら手さぐりで活動をつづけ,事例研究をとおして,聴覚障害者の心理的健康と発達を支える上で手話環境が保障されることの重要性を報告しました。新生児聴覚スクリーニング検査が日本に導入されてからは,生後すぐに発見されるきこえない赤ちゃんの「親支援」をめぐって,聞き取り調査や相談活動による研究を行ってきました。
最近のテーマとしては,「聴覚障害者の思考様式に関する研究」があります。この分野の研究はこれまで殆ど報告されていませんが,私は心理臨床活動をつづけるなかで,彼らには健聴者とは異なる独自の記憶・思考様式があることに気づきました。それは「映像思考」です。そこに関心を向けてはじめて,きこえない人々の訴えや行動の意味が深く理解されるのです。今後は,面接調査による研究を進め,早期支援とろう教育のあり方を改めて見直す契機としたいと考えています。
私にとってもう一つ重要な研究領域は,「児童福祉施設における臨床心理学的支援」です。乳児院・児童養護施設をフィールドに観察研究と事例研究を行ってきました。被虐待体験をもつ乳幼児への心的ケア,乳児院と児童養護施設との連携とリエゾン,子どもたちへのインフォームドコンセントがもつ心理発達的意味をテーマに取り組んでいます。