本ウェブサイトは2022年3月末をもって閉鎖いたしました。このページに掲載している内容は閉鎖時点のものです(2022年3月)。

教員情報(MEGURO Tsuyoshi)

氏名・職名 目黒 強(めぐろ つよし,MEGURO Tsuyoshi)准教授
メールアドレス meguro [at] kobe-u.ac.jp
取得学位 修士 (教育学) (神戸大学)
研究分野 児童文学,国語教育
[学部] 所属 人間形成学科 子ども発達論コース, 学校教育論コース
研究テーマ

近代日本において児童文学というジャンルがどのように成立したのかについて研究しています。

[大学院] 所属 [博士課程前期課程] 人間発達専攻 学び系講座
[博士課程#091;博士課程後期課程] 人間発達専攻 学び系講座
[(旧)博#091;博士課程士課程前期課程] 教育・学習専攻 子ども発達論コース
[(#091;(旧)博士課程後期課程] 教育・学習専攻 子ども発達論分野
研究テーマ

近代日本における児童文学という文学場の成立過程の検討を中心に,歴史社会学的観点から児童文学の研究に取り組んでいます。

研究者情報 神戸大学研究者紹介(KUID)
教員サイト
研究室紹介 子どもをめぐる「常識」を疑う

子どもたちを取り巻くメディア環境が多様化するに伴い,世代間におけるメディア体験の違いが拡大しています。その結果,テレビゲームは有害であるなどのような一方的かつ一面的な見解が幅を利かせるようになりました。

しかしながら,メディアが子どもに及ぼす影響に関する研究は端緒に就いたばかりで,定説をみないものが少なくありません。にもかかわらず,テレビゲームが有害であるというような信念については,「常識」として疑われることはあまりないようです。

たとえば,現在では小説を読むことは「よいこと」であると信じられていますが,明治時代には小説が青少年に及ぼす悪影響が議論されていました。子どもとメディアの関係は歴史的かつ社会的に構築される側面を有しているのです。そこで,本ゼミナールでは,子どもたちをめぐる「常識」を疑うことを出発点にしながら,研究に取り組んでいます。

研究最前線 児童文学はいかにして発明されたのか

明治以降,特定の子ども観が学校・家庭・社会のそれぞれの領域で発見され,相互に関連しながら近代的子ども観として成形されていきました。このようなムーブメントのなかで,マスメディアもまた子どもという読者を発見します。現在でいうところの児童文学は,近代的子ども観を基盤としながら,子ども読者と子ども読者に本を手渡す媒介者という新たな読者層を開拓したのです。

さらに,児童文学というジャンルが展開するためには,文学場のなかで一定のポジションを獲得しなくてはなりません。具体的には,児童文学作品が商品として市場を形成することに加えて,児童文学に期待される価値観 (教育的価値観や文学的価値観など) が創出され,多くの人々に内面化されることで,児童文学というジャンルの固有性が認知され,正統性が与えられるのだと考えられます。

本研究室では,児童文学の歴史社会学的研究に加えて,これまでの研究で得られた知見を援用しながら,マスメディアにおける子ども観や子ども向けメディアを対象とした研究に取り組んでいます。