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教員情報(SAKAMOTO Yuji)
氏名・職名 |
阪本 雄二(さかもと ゆうじ,SAKAMOTO Yuji)准教授 |
メールアドレス |
sakamoto [at] main.h.kobe-u.ac.jp |
取得学位 |
博士 (理学) (大阪大学) |
研究分野 |
数理統計学 |
[学部] 所属 |
人間環境学科 数理情報環境論コース |
研究テーマ |
水の流れの中を漂う花粉の運動や株価の変動のような時々刻々とランダムに変化する現象について,そのメカニズムを解明するデータ解析法を研究しています。
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[大学院] 所属 |
[博士課程前期課程] 人間環境学専攻 数理情報環境論コース
[博士課程後期課程] 人間環境学専攻 数理情報環境論分野
[(旧)博士課程前期課程] 人間環境学専攻 数理情報環境論コース
[(旧)博士課程後期課程] 人間環境学専攻 数理情報環境論分野 |
研究テーマ |
ポアソン過程や拡散過程などの確率過程に関して,その漸近分布論と統計的漸近理論,およびその数理ファイナンス・保険数理への応用の研究を行っています。
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研究者情報 |
神戸大学研究者紹介(KUID) |
教員サイト |
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研究室紹介 |
不確実な情報を有効なもの変える技術習得と数学的理解を目指して
3年後期から4年の前期まで,数理統計学の教科書を輪読し基礎固めをし,4年後期から一人ひとりが選んだテーマについて研究する。過去のテーマには,中心極限定理の誤差限界に関する数値的および理論的検証,縮小推定量の優位性に関する数値的評価と縮小推定量の漸近分布,リッジ回帰におけるパラメータ推定についてなどの数理統計学の理論的研究がある。また,ヨーロピアンオプションの価格付け理論に対するモデルの一般化,アメリカンオプションの価格付け法に関する数値的特性の検証,損保数理における信頼性理論,保険会社の倒産確率に関する近似法などの金融工学・保険数理における諸問題や,大学進学率の要因分析などの現実的な問題への統計手法の適用なども卒論のテーマである。さらに大学院では少人数でのゼミを行い,カルマンフィルタなどの時系列解析における諸問題に研究指導している。
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研究最前線 |
確率的なダイナミックスを探る統計解析法と統計数学
数理統計学においては,不確実性を含む情報の信頼性を確率的に評価することが重要です。管理された実験条件のもと繰り返し観測されるデータの場合は,個々のデータ間の独立性が保証され,データの出現法則が正規分布であると仮定できることが多いため,情報の信頼性をティー分布やエフ分布を用いて評価することが可能です。一方,データ間の独立性が保証されても,個々のデータが複数個の数値で構成されるベクトルである場合や,時系列データのようにデータ間の独立性が保証されない場合は,情報から帰結される結論の信頼性を正確に評価するのが困難です。その問題を解決するため,統計的漸近展開と呼ばれる確率分布の近似公式を系統的に求める方法が発展してきました。
私たちの研究室では,データがεマルコフ性と呼ばれる独立性を拡張した性質を持ち,統計量が加法的汎関数の多項式として表される場合について,その漸近展開の研究を行っています。加法的汎関数に関する漸近展開の近似精度は,一般化されたマリアバン共分散の非退化性により保証されることが知られていますが,私たちは,その多項式に関する漸近展開の近似精度がバチャタリア=ゴーシュ写像により保存されることを証明しました。その応用として,M推定量の多項式近似から,M推定量の確率分布の漸近展開を導出しました。この結果は,拡散過程に 基づく最尤推定量の漸近展開を典型的な例として含む一般的なものであり,多くの具体的なモデルへの適用が期待できます。
また,尤度比統計量などの検定統計量に関しても,多項式近似を利用して,精度保証付きのラゲール展開を求めることに成功しました。今後は,レビーノイズを含むモデルに対する漸近展開や,鞍点法とよばれる裾確率の高精度近似について研究を進めたいと考えています。最近はエンドポイントの検出などに有効なFDR基準による多重検定法などの研究も行っています。
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