本ウェブサイトは2022年3月末をもって閉鎖いたしました。このページに掲載している内容は閉鎖時点のものです(2022年3月)。
教員情報(SATO Masayuki)
氏名・職名 |
佐藤 真行(さとう まさゆき,SATO Masayuki)教授 |
メールアドレス |
msat [at] port.kobe-u.ac.jp |
取得学位 |
博士(経済学)(京都大学) |
研究分野 |
環境経済学,環境政策論 |
[学部] 所属 |
人間環境学科 生活環境論コース |
研究テーマ |
有限の自然資本を持続的に利用していく経済システムと,そのときの人々のライフスタイルについて,経済学を中心に社会科学的な研究を行っています。
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[大学院] 所属 |
[博士課程前期課程] 人間環境学専攻 生活環境論コース
[博士課程後期課程] 人間環境学専攻 生活環境論分野
[(旧)博士課程前期課程] 人間環境学専攻 生活環境論コース
[(旧)博士課程後期課程] 人間環境学専攻 生活環境論分野 |
研究テーマ |
環境・資源制約のもとでの経済システムと,そのときの人々のライフスタイルの分析を中心に,生活の質と社会・環境・経済の持続的発展について研究しています。
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研究者情報 |
神戸大学研究者紹介(KUID) |
教員サイト |
教員のウェブサイト |
研究室紹介 |
生活の質と持続可能性について,環境や資源の観点から考える
経済発展とともに,人々の生活が便利で快適になることは一面の事実であります。しかしながら,経済発展とともに資源の枯渇,環境の汚染,生態系の破壊といった経済発展の指標(GDP)では捉えられない悪影響が深刻化しているのももう一面の事実です。さらに近年では,経済発展の度合いとは別に幸福度や生活の質といった概念が注目を集めています。また,現在の経済発展がいつまで続くのかといった持続性に関する懸念も深刻化しつつあります。
ところで,これまでの経済発展を推し進めたのは「大量生産~大量消費~大量廃棄」というライフスタイルです。しかしこうしたライフスタイルは持続可能でしょうか。本当に豊かであると言えるでしょうか。私の研究室では,持続可能な発展やライフスタイルについて,環境や資源の観点から経済学を中心に社会科学的な研究を行います。“ Cool Heads, but Warm Hearts”という有名な経済学者の言葉を共有しながら,この難しい,しかし重要な問題に取り組んで行きましょう。
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研究最前線 |
持続可能な発展とライフスタイルを環境と経済の観点から考える
いま,「豊かさ」が再検討されています。これまでは,経済を成長させることが豊かさにつながると考えられ,経済成長は政策的にも相当高い優先課題とされてきました。たしかに経済成長によって生活は便利になり,快適になりました。ところが,人々の幸福度は経済が成長したほどには増加しませんでした。この現象は「Easterlinの逆説」として経済学や心理学など幅広い学問的関心を集めています。同時に,環境・資源・生態系の観点から,こうした経済成長の持続可能性も問われています。
私の研究室では,環境経済学的な観点からこうした問題に取り組んでいます。こんにちの大量消費・大量生産・大量廃棄の経済システムとライフスタイルは,大量の資源を消費し,同時に環境や生態系に深刻な負荷を与えながら存立しています。いうまでもなく,環境・資源・生態系は有限であるため,持続可能な発展のためにはこうした経済システムを改変する必要があります。改変の指針を示すための経済学的な分析方法として,GDPに代表されるフロー指標ではなく,ストックに着目するInclusive capital approachがあります。私の研究室では,人工資本,人的資本,自然資本の動向についてデータを収集し,計量経済分析を行っています。
環境問題は,幸福度と経済成長が必ずしも比例しない理由についても関連します。経済成長(GDPの伸び)は物質的な豊かさの測る有力な指標ではありますが,そこには測り漏れている重要な要因が多く存在します。我が国ではGDPの急速な伸びと同時に公害問題やゴミ問題,資源枯渇やエネルギー問題など多くの歪みが生じました。人々の幸福や生活の質を考える際にはGDPだけに注目するわけにはいきません。私の研究室では,GDPで勘定されない要素として特に環境を考えます。環境は「価格のつかない価値物」です。これをどう評価するかは重要な問題で,環境経済学では環境評価と呼ばれる分野で取り組まれておりますが,私の研究においても重要な課題です。
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