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教員情報(SEKI Noriko)

氏名・職名 関 典子(せき のりこ,SEKI Noriko)准教授
メールアドレス n-seki [at] pegasus.kobe-u.ac.jp
取得学位 修士 (人文科学) (お茶の水女子大学)
研究分野 舞踊学,コンテンポラリーダンスの創作と研究
[学部] 所属 人間表現学科 臨床・感性表現論コース, 人間表現論コース
研究テーマ

ダンスや身体表現の特質である「現在性」や「コミュニケーション」について,表現活動と研究活動をフィードバックしながら探究しています。

[大学院] 所属 [博士課程前期課程] 人間発達専攻 表現系講座
[博士課程#091;博士課程後期課程] 人間発達専攻 表現系講座
[(旧)博#091;博士課程士課程前期課程] 人間表現専攻 コミュニティアートコース
�#091;(旧)博士課程後期課程] #093;
研究テーマ

舞踊は有限の身体や動きという儚いものを媒体とする芸術です。その「現在性」にこだわり,表現・研究活動をフィードバックしながら探究しています。

研究者情報 神戸大学研究者紹介(KUID)
教員サイト 教員のウェブサイト
研究室紹介 舞踊の魅力 共感するココロ,表現するカラダ

私のゼミでは,身体という最も身近な存在を表現媒体とする舞踊の実践と研究を通して,「共感するココロ」と「表現するカラダ」についての考察を深めることを目標としています。学生の研究テーマはさまざまですが,常に重視しているのは身をもって体感すること。ワークショップや公演活動を通して,舞踊の理論や意義を体験的に理解することを目指しています。これまでに,Artistic Movement in Toyama 3年連続受賞(松本千代栄賞=最高賞/特別賞),神戸ビエンナーレでは2009年より兵庫県立美術館の屋外大階段でSite Specific Dance Performanceを上演,学会発表などにも精力的です。様々なジャンルの芸術表現を総合的に学ぶ学生の皆さんの感性には,私も一表現者・研究者として,大いに刺激を受けています。研究面においても表現面においても身体のもつ力を信じ,教員と学生という関係に留まらない同志として,舞踊や身体表現の魅力を探求していきたいと願っています。

研究最前線 「今」を生きる使命感をもって――コンテンポラリーダンスの挑戦

「コンテンポラリーダンス」とは何か。舞踊史的な位置づけとしては,1980年代のヨーロッパで発生し,現在,世界各地で展開している最先端の舞踊の潮流を指す語として用いられています。「contemporary」という語は「同時代の,現代の (≒modern)」と訳されるのが一般的です。この語は「今・ここ・私」などと同様,「いつ・どこで・誰が」話したかによって異なるものを指示する発話参照語であるため,多様なものを包括する曖昧な概念であるとも言えるでしょう。コンテンポラリーダンスにおいては,個々の振付家が独自の表現を展開し,その多様性が一つの特質として認められていますが,同時に「既存のジャンルや様式に回収されない新しい舞踊の総称」として,未だ明確な定義づけのないまま,便宜的に用いられている感も否めません。ここに,コンテンポラリーダンスという同時代の現象を研究することの困難さがあります。しかし,翻って語源に着目してみると,「con (共有)+temporary (一時の,束の間の)」に由来する「同時に存在する (≒simultaneous)」という重要な意味が浮かび上がってきます。そもそも我々は「今」という時制にしか身を置くことはできません。各時代の芸術家は,それぞれの時代を反映した作品を生み出してきました。「同時代性」や「現代性」の追究は,それが我々にとって他に選択肢のない,かけがえのない時間の意味でもあるからです。とりわけダンスは「今,ここ」という「現在」を,「共にある」という「共生」を離れてはあり得ず,時と場を共有することによってこそ体験しうる特異な芸術です。コンテンポラリーダンスの孕む舞踊の本質に魅了されながら,表現者として,研究者として,ある種の使命感をもちながら日々研鑚を重ね,そして,次代を担う人材を輩出していきたいと願っています。