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第3回 未来社会を担う人材育成のための多角連携フォーラム ~課題発見と問題解決につながる観察力を育む~

日時
2016年3月13日(日) 13:30-17:30 (受付13:00より,終了後交流会あり)
場所
神戸大学瀧川記念学術交流会館 大会議室
アクセス
阪急電車「六甲」駅, JR西日本「六甲道」駅又は阪神電車「御影」駅から市バス36系統「鶴甲団地」行に乗車「神大文・理・農学部前」下車。
参加費
無料
申込方法
参加希望の方は,以下をお知らせください。
  1. 参加者氏名(漢字・カナ)
  2. 連絡先(郵便番号・住所・電話番号・メールアドレス)
  3. 所属団体・部署・役職等
  4. 交流会(参加する/参加しない)

※お申し込みの際にいただく個人情報は,本フォーラムの運営と今後の同趣旨のイベントのご案内以外には利用いたしません。今後のご案内が不要の場合は,その旨お申し出ください。

申し込み先・問い合わせ
神戸大学サイエンスショップ
【E-mail】 fm-16 [at] h[dot]kobe-u[dot]ac[dot]jp
【FAX】 078-803-7979
(電話番号はFAX番号と同じですが,担当者が不在の場合もありますのでご了承ください)
主催
神戸大学発達科学部・神戸大学大学院人間発達環境学研究科
神戸大学サイエンスショップ
共催
総合地球環境学研究所



プログラム

13:30 - 13:40 開会の挨拶
13:40 - 14:40 基調講演
「進む世界のコンピテンス基盤型教育 ―今,どのような資質や能力が求められているのか―」
鈴木 誠(北海道大学 高等教育推進機構・大学院理学院自然史科学専攻)
14:40 - 15:05 話題提供1
「環境研究を通して養う観察力 ―京都府立洛北高校SSH事業への協力事例から―」
熊澤輝一(総合地球環境学研究所)
15:05 - 15:30 話題提供2
「デザイン思考による視点と着眼点 ―木も見て森も見る―」
祗園景子(神戸大学連携創造本部)
15:30 - 15:50 休憩
15:50 - 16:15 話題提供3
「ナチュラリストの卵が考える『観察力』」
勝原光希(神戸大学大学院 博士前期課程)
16:15 - 16:40 話題提供4
「新しい時代に必要な資質や能力を入試でどう測るか?」
内村 浩(京都工芸繊維大学教育研究基盤機構)
16:40 - 17:20 ディスカッション
17:20 - 17:30 閉会の挨拶
17:40 - 19:50 交流会(瀧川記念学術交流会館 食堂)

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【開催の趣旨】

グローバル化を目指して社会全体が変様して行く中,多様な価値観が複雑に交錯しながら変化が絶えず生じることで,将来の不確実性も大きくなっています。そのような環境の中で,ビジネスや産業,その他の社会セクターにおいては,自ら課題を発見し自発的に探究を進めていく研究者的な資質を持った人材が求められるようになってきています。同時にアカデミアの研究者も,専門的な知識や能力だけでなく,幅広い視野,企画力やコミュニケーション能力,さらにコーディネート力などが求められるようになっています。このような資質と能力を持った人材を育成するには,中等教育,高等教育を通じて,自発的な学びや研究活動を支援する環境の提供が必要です。

社会の中での大学の役割が厳しく問われる今日,大学は自らの役割を再定義するだけでなく,その社会との連携が重要になってきています。大学は,産学官民の連携に始まり,高大連携,地域連携の中核としての役割を果たすことも期待されています。一方で最近では,高校と産業界の連携や,小中高の異校種の連携なども始められており,枠組みを越えて人材育成を行う必要性が認識されつつあります。
 このような状況において,自ら問題を発見し他者と協働しつつ研究能力を発揮して課題解決に当たる人材,社会性とリーダーシップを兼ね備えた研究者的資質を有する人材の育成には,初等中等教育・高等教育関係者,産業界,行政,市民が互いに協力し合い,人材育成のビジョンや実践事例に関する情報を共有し,相互に意見交換し合うネットワークの形成が重要ではないでしょうか。
 高校や小中学校で探究型人材育成教育に関わる教員の方々や,企業で経営や人材育成に携わる方々と,大学で教育に関わる者との間で忌憚のない意見を交換する場を提供できればと考え,この多角連携フォーラムを企画いたしました。

第3回目にあたる今回は,課題発見と問題解決につながる観察力を育むにはどうしたらよいかという問いを取り上げることにいたしました。課題を発見するには,現実をしっかりと捉える「観察力」がなくてはなりません。その観察力をいかに育んでいくかについて,みなさまと共に考える機会を持てればありがたいと考えます。21世紀に求められる人材の育成,特に「未来の市民」,「未来の科学者」,「未来の政策立案者」を育成するためにビジョンを共有し,その協働によって持続可能な社会を共同で作り上げていくことに関して,意見交換と交流の機会の場となりますことを願っております。年度末の多忙を極める時期ではありますが,ふるってご参加くださいますようお願いいたします。

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【報告】

2016年3月13日,「第3回未来社会を担う人材育成のための多角連携フォーラム~課題発見と問題解決につながる観察力を育む~」を神戸大学瀧川記念学術交 流会館にて開催しました。

 初めに,「進む世界のコンピテンス基盤型教育 -今,どのような資質や能力が求められているのか-」というタイトルで,北海道大学高等教育推進機構・大学院理学院自然史科学専攻の鈴木誠氏に基調講演をしていただきました。求めれるさまざまな資質と能力,コンピテンス基盤型教育とは何か,今なぜ観察力なのか,の3点についてお話をしていただきました。その中で,これから求められる資質は問題解決能力と多言語活用能力であること,求められる能力を育てるためのコンピテンス基盤型教育とアメリカやフィンランドでの具体例の紹介,問題解決能力の基礎的として観察力が重要であり,それには外と内への観察が必要であることをお話いただきました。
 次に総合地球環境学研究所の熊澤輝一氏より「環境研究を通して養う観察力 -京都府立洛北高校SSH事業への協力事例から-」というタイトルで話題提供をしていただきました。総合地球科学研究所は2013年度より,文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校である洛北高校にて,文系の生徒を対象に「環境」をテーマとした課題研究の実施に協力をしており,その取り組みの事例の紹介から観察力についてお話をしていただきました。
 続いて神戸大学連携創造本部の祗園景子氏より「デザイン思考による視点と着眼点 -木を見て森も見る-」というタイトルで話題提供をしていただきました。デザイン思考の紹介を通して,解は一つではないこと,視点と着眼点を考える事の重要性,視点と着眼点を考えるために個々の要素と全体を同時に行き来しながら観察する事が大事であることをお話いただきました。
 3つ目の話題提供は,神戸大学大学院の勝原光希氏の「ナチュラリストの卵が考える『観察力』」でした。高校時代から大学院の現在まで生態学の研究を続けてきたご自身が,研究活動を行う中で観察がどのように研究に活かされているかどのような思考のプロセスで研究を行っておられるかをご紹介していただき,よい観察のために必要な事はどの視点から見るのかを明確にすることと,自分が何を見たのかを記述して残すことが大切なのではないかとお話していただきました。
 最後に,京都工芸繊維大学教育研究基盤機構の内村浩氏から「新しい時代に必要な資質や能力を入試でどう測るか?」というタイトルで,高大接続と問題開発者の2の立場から話題提供をしていただきました。従来の教育の問題点と入試改革の必要性,評価システムの難しさについてお話していただきました。

 ディスカッションでは,発達段階に応じた教育の重要性,幼児教育とその指導者の重要性,小中高大で共通の目標を持って教育改革を考えて行かなければならないのではないか等の意見交換がなされました。

 参加者は,教育関係者,企業関係者,行政関係者,一般市民,学生など57名でした。

【報告書】

本シンポジウムの報告書は,PDFファイルにてご覧になれます。

報告書『第3回未来社会を担う人材育成のための多角連携フォーラム ~課題発見と問題解決につながる観察力を育む~』 (PDFファイル,2.0MB)

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