- 講演者
- 濱田芳通&黒田京子デュオ
- 日時
- 2018年11月5日 18:00開場 18:30開演
- 場所
- 鶴甲第2キャンパス C111 (C棟1階)
- 企画
- 音楽文化史ゼミ 大田美佐子/ 下万佑子/ 肥山紗智子/ 山村磨喜子
- 要予約
- misaohta [at] kobe-u [dot] ac [dot] jp(大田美佐子) までお問い合わせください。
濱田芳通(リコーダー&コルネット/指揮/古楽アンサンブル<アントネッロ>代表)
我が国初の私立音楽大学,東洋音楽大学(現東京音楽大学)の創立者を曾祖父に持ち,音楽一家の四代目として東京に生まれる。桐朋学園大学古楽器科卒業後,スイス政府給費留学生としてバーゼル・スコラ・カントールムに留学。コンチェルト・パラティーノ,アンサンブル<ラ・フェニーチェ>のコンサート及び録音に参加するなど,ヨーロッパ各地で活躍する。国内では,アニメ「耳をすませば」,大河ドラマ「信長」「秀吉」の音楽に携わるなど,知られざるバロック以前の音楽を広めるべく幅広い活動を行っている。近年,バロック・オペラ上演プロジェクト<オペラ・フレスカ>を立ち上げ,G.カッチーニ作曲「エウリディーチェ」を本邦初演するなどその活躍は目覚ましい。一方で,自身のライフワークとなっている南蛮音楽の研究は,アントネッロ結成以来20数年が経つ。その成果として,CD「天正遣欧使節の音楽」リリース,同名朗読付演奏会,書下ろし台本による芝居付き演奏会「エソポのハブラス」等を各地で開催している。2017年9月,音楽論集「歌の心を究むべし」刊行。
黒田京子(ピアノ)
東京都府中市生まれ。'80年代後半,自ら主宰した「オルト」では,池田篤(as),村田陽一(tb),大友良英(g,etc)など,ジャズだけでなく,演劇やエレクトロニクスの音楽家たちと脱ジャンル的な場作りを行う。'90年以降,坂田明(as),斎藤徹(b),早坂紗知(as),酒井俊(vo)などのバンドメンバーや,演劇や朗読の音楽を長期に渡って務める他,無声映画への音楽提供,ジャズ講座の講師を担当するなど,その活動の幅はたいへん広い。'00年には「オルトペラ・アンサンブル」によるクルト・ヴァイルの生涯をとりあげた音楽劇の公演を行う。'04年から6年間余り,太田惠資(vn)と翠川敬基(vc)のピアノ・トリオで活動。'10年から喜多直毅(vn)と言葉と音楽の実験劇場「軋む音」を不定期に展開。近年は即興演奏を主体とした演奏活動を行っている。'06年,オルト・ミュージックを立ち上げ,コンサートの企画も手掛ける。'13年,ピアノ・ソロのCD『沈黙の声』,'14年,喜多直毅とのデュオCD『愛の讃歌』を発表。
濱田芳通&黒田京子デュオについて
17世紀以前のヨーロッパで生まれた作品をレパートリーとして演奏している濱田芳通。20世紀に生まれたジャズから出発して幅広い活動を行っている黒田京子。この2人が”即興演奏”を軸に,独自のアプローチで展開する音楽は,他に類を見ないと思う。ヨーロッパに生まれたわけではないのに,なぜクラシック音楽を,しかも現在のような譜面に残っていない時代の音楽をやっているのか?なぜアメリカで生まれたジャズに魅かれ,音楽を奏でているのか?自身の音楽と在り方を常に問いかける姿勢を失わない音楽家のコンサートとアフタートークの時間は,様々な角度から音楽のことを思考する有意義なものになるだろう。(ピアニスト 黒田京子)
学術WEEKS2018の企画について
今年でvol.4となる学術WEEKSのテーマ「音楽文化のトランスボーダーを巡って」。これまで,音楽文化の様々な越境と対話の問題をテーマに企画してきました。今回のタイトルは「笛の楽園」。古楽のフィールドから日本と西洋の響きとの出会いを探究し,劇音楽など,より広い視野で発信してこられた濱田芳通さん。ジャズを超えて,演劇,オペラ,映画,クラシックや古楽と,まさにボーダーレスな活動を続けてこられた黒田京子さんのお二人をお迎えします。それぞれの原点からイマジネーションを掻き立て,「創造と破壊」が繰り広げられていく様を,皆さんと一緒にどきどきしながら体験したいと思います。(神戸大学准教授 大田美佐子)
本事業は,神戸大学大学院 人間発達環境学研究科 学術Weeks2018の企画の1つとして行われます。