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2013年度日韓交流学術シンポジウム企画案 「発達障害者への学習支援」 [学術Weeks2013]
- 趣旨
- OECDの2012年の統計によると,韓国の大学進学率は71%,日本は51%だという。両国とも少子化と国際化の波を強く受ける中で,大学間の競争力強化が重要課題となっており,学生にしっかりした力を身につけさせる教育のあり方が,今まで以上に問われるようになってきている。また近年,両国とも発達障害者に対する関心が社会的に高まりをみせており,支援制度も徐々に整いつつある。ことさら発達障害者の高校卒業後の学習機会保障について,日韓が共有する課題となっている。
2008年から神戸大学と韓国ナザレ大学との間で毎年交互に行っている学術交流において,発達障害者支援をテーマとするのは今年で3回目となる。今回は高等学校を卒業した発達障害者に対する学習支援のあり方について検討し,相互理解を深める。
韓国ナザレ大学は,障害学生の受け入れを積極的に行い,韓国随一の障害学生支援を展開し高い評価を受けている。特に知的障害学生,発達障害学生のための特別な学科(リハビリテーション自立学科)が2009年度に開設され,試行錯誤が繰り返されている。世界でも類を見ない取り組みとして注目される。
日本でも大学における発達障害学生への学習支援の積み重ねはあるが,正規カリキュラムとしての検討される基盤はほとんどない。大学が実施する非正規のプログラムや民間による支援が先行している。日本の大学における発達障害学生支援の実態と,民間団体による発達障害者への学習支援の展開について理解を深める機会としたい。
この企画において発達障害の語を,知的障害を伴うものも含み広義で用いるものとする。また,学習支援の語は,学校教育のカリキュラムを基準とした支援ばかりでなく,実際生活に即した学習への支援を含み広義で用いるものとする。発達障害者への学習支援をめぐるテーマは,発達障害者の権利保障という側面を中心とするが,そればかりでなくメインストリームの社会に対する課題提起という側面も重要な要素だと考える。
- 日時
- 2013年12月21日(土) 10:00~17:00
- 場所
- 神戸大学発達科学部 大会議室(A棟2階)
- プログラム
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内容 |
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時間 |
1) |
発達障害者への学習支援を検討する意味 |
報告者: 津田 英二 (神戸大学人間発達環境学研究科) |
10:00-10:15 |
2) |
日本の発達障害青年に対する学習支援の方法と課題 |
報告者: 河南 勝 (エコールKOBE) |
10:15-11:00 |
3) |
発達障害学生のための地域連携プログラム |
報告者: 文 龍洙 (ソウル市立知的障害者福祉館館長) |
11:00-11:30 |
4) |
韓国ナザレ大学における発達障害学生支援の方法と課題 |
報告者: 金 鐘忍 (韓国ナザレ大学リハビリテーション自立学科長) |
13:00-13:30 |
5) |
韓国ナザレ大学における発達障害学生の適応と進路 |
報告者: 金 明子 (韓国ナザレ大学大学院博士課程) |
13:30-14:00 |
6) |
発達障害者への学習支援の理論構築に向けて |
報告者: 赤木 和重 (神戸大学人間発達環境学研究科) |
14:00-14:30 |
7) |
学生間研究交流(英語での討議) |
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15:00-17:00 |
- 対象
- 研究者,大学院生,大学生,一般
- 主催
- 神戸大学大学院人間発達環境学研究科 ヒューマン・コミュニティ創成研究センター
- お問合せ先
- 神戸大学大学院人間発達環境学研究科 ヒューマン・コミュニティ創成研究センター (担当:津田 英二)