本ウェブサイトは2022年3月末をもって閉鎖いたしました。このページに掲載している内容は閉鎖時点のものです(2022年3月)。

山口悦司准教授と稲垣成哲教授が日本科学教育学会論文賞を受賞しました

2016年8月20日,人間発達専攻の山口悦司准教授と稲垣成哲教授が日本科学教育学会論文賞を受賞しました。この賞は,日本科学教育学会の学術研究誌に掲載された論文のうち,特に学術的価値の高い優れた論文に対して授与されます。

受賞対象の論文は,科学を教える教師自身にアーギュメント・スキルを獲得させる教育プログラムについて,デザイン研究という方法論を採用し,そのデザインに求められる原則的な知見の導出を試みた研究です。デザイン研究は,科学教育の隣接学問領域の学習科学において提唱された研究方法論です。その特徴は,学習場面に直接的に介入することで学習の改善を達成することに加えて,その改善に寄与する一般化可能な原則的な知見を見出そうとする点にあります。本論文は,この研究方法論を採用することで,先行研究の成果を十分に活用して優れた教育プログラムを開発することに成功しています。同時に,2回にわたって教育プログラムのデザイン・実施・評価を行うとともに,1回目から2回目にかけて教育プログラムの改善を行い,これら2回の比較を通して評価基準の共有という教育プログラム開発に求められる原則的な知見の導出を実現しています。本論文は,このような研究方法論を採用した科学教育研究の現時点での到達点であり,新しい研究方法論の存在とその意義を提案しているという点で高く評価されました。

受賞対象論文

関連情報