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教育科学論コースの魅力

教育や学校が今あるような仕方であるのはなぜだろう?

「科学・サイエンス」という言葉で皆さんが思い浮かべるのは,おそらく自然科学や科学技術のイメージではないでしょうか。しかし,この言葉の語源「スキエンティア」(ラテン語)は,「物事が今のような仕方であるのはなぜかについて知る」という意味なのです。私たち教育科学論コースが目指すのは,まさに,「教育や学校のいろいろな現象やあり方が今のような仕方であるのはなぜか,そしてそれは望ましいあり方か?」を問うことです。皆さんは今まさに学校で教育を受けていますね。学校があり先生がいていろいろな教科の授業が行われる。このような皆さんにとって自明の教育のあり方は,実は,法律・制度・行政・財政のルールや枠組みに即して運営され,しかも,このような学校教育制度が成立したのは,人類史的に見ればごく最近のことにすぎません。また,各教科の内容はそれぞれ,やはり人類の長期にわたる思索,探究,試行の結果が凝縮されたものですし,それを教える先生の教え方についても,実にさまざまな理論や方法の探究の歴史があります。たとえれば,いくつもの長い川が合流した地点に皆さんの学校は立っていて,そこに皆さんがいるわけです。では,その「川」は今後どう流れていくか。それは皆さんにとってわからないだけではなく,実は私たち大人にもわかりません。でも,今よりももっとたくさんの豊かな水が活き活きと流れる川のあり方がきっとあるはずです。その「あり方」を皆さんと共に考えてみたい。それが,教育科学論コースのスタッフ一同の願いです。