人間表現学科長
小髙 直樹 教授
学科長からのメッセージ
私たち人間は,長い歴史にわたって,その時々の環境のもとでさまざまな表現を行い,その時代に固有の文化を生み出してきました。とりわけ音楽や造形,舞踊といった創造的表現は極めて人間的な行為であり,人間の発達や変容にとって欠かすことのできない重要な営みです。人間表現学科では,こういった人間の創造表現の本質を,理論と実践の両面から探究しています。
理論とはいわば論理の世界です。それに対して実践においては,ときとして論理を超えたものを求められることがあります。この論理の世界と,論理を超えた世界を結びつけることは決して容易なことではないのですが,理論と実践の世界を往還し,葛藤するなかにあってこそ,新たな創造実践のインスピレーションがかき立てられ,また新たな理論の創出も可能になると考えています。
このような考えのもと,人間表現学科では,さまざまなユニークで刺激的な学びの場を提供しています。理論と実践の世界を縦横無尽にかけめぐりましょう。
人間表現学科の理念
広い知識を授けるとともに,音楽,造形,パフォーミングアーツ等の人間の様々な表現や創造活動について教育研究を行い,教養並びに表現領域についての幅広い知識や個々の領域における専門的な知識及び技術を身に付け,研究,創造及び社会的実践に関する優れた能力を有する人材を養成することを目的とします。
教育の特色
- 表現の原初に立ち帰る
- 人の表現行為は,日常の何気ない所作や立居振舞から「芸術」と呼ばれるものまで,実に多様です。その現れ方は,音声や身振りに始まり,身体や道具を使っての音,色,かたち,香り,味などの創造へと多彩に発展しますが,すべては人間の五感に基づくものです。近年のテクノロジーの進歩は,この表現の実体までも曖昧にしていくかのようですが,私たちは,変容し続ける人間の表現行為について,まずその原初に立ち帰って考えます。
- 複眼的アプローチで挑む
- 表現は,私たちの生の反映です。私たちひとりひとりの一挙一動には,その影響と反応を,無限に繰り返し共有するコミュニケーションのサイクルが内包されており,それが歴史を創るのです。その渾然一体となって姿を変える人間表現の解明に,私たちは,表現創造論,表現文化論,臨床・感性表現論という3つの視点から複眼的なアプローチで挑みます。
- アート/ヒューマンインターフェースの研究・開発を目指す
- 専門性を高めることは何より重要なことですが,その上で私たちが目指すのは,本来,分かちがたい表現領域から,音楽,舞踊,美術,ファッションというように分割されてきた専門分野を,「表現」を鍵にして結び合おうとする教育研究の場です。ここから,多彩な表現世界を自由に往来して,新しい表現と価値を生み育て,人と人をつなぐ豊かなアートの創造と研究に携わる人材が生まれゆくことを願っています。
関連情報
コース紹介
コース名(受け入れ可能人数) | コースの概要 |
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表現文化論コース (18名) |
歴史や社会といった文脈の中で,表現文化を考える。 続きを読む |
表現創造論コース (18名) |
未来を担うクリエイター,ファシリテーターを目指そう! 続きを読む |
臨床・感性表現論コース (12名) |
新しいアート・ヒューマンインターフェースの開拓に挑戦する。 続きを読む |
主な取得可能な資格免許
中学校教諭一種免許状(音楽)/中学校教諭一種免許状(美術)/高等学校教諭一種免許状(音楽)/高等学校教諭一種免許状(美術)/学芸員*/社会教育主事*/社会福祉主事任用資格*/環境再生医資格*
(*すべての学科に共通の資格免許)