<人間形成学科>
人間とは関係性を通して発達していく社会的存在である。
福田 昇平 さん (心理発達論コース4年生)
私は大学入学時からこのコースへ入り,カウンセリング等の臨床心理学について勉強し,それを生かした仕事をしようと考えていました。人は社会の中で,人と人との関係を切り離して生きていくことはできません。この関係を専門的に扱う心理学という学問に関心がありました。
心理発達論コースでは,教員から学生に向けて行う講義と学生主体の演習があります。WISCやロールシャッハテストなどの心理検査を学生同士で実施しあったり,心理学の研究に関しても,2年では研究のための基礎を学び,ミューラー・リヤーの錯視などを題材として,実際に論文を書き,3年ではゼミごとに学生主体の研究を1つ完成させ,4年では学生各自の関心に基づいて卒業論文を執筆するというように,心理学の演習も数多くあります。
心理学は日常生活にも応用できる幅の広い学問なので,勉強すればするほど面白くなります。是非,このコースで心理学の面白さに触れて下さい。
さまざまな分野から子どもについて学び,子どもの世界を感じる
名坂 友里 さん (子ども発達論コース4年生)
子どもについてさまざまな分野から学んでいくのがこのコースの最大の魅力です。教育や心理,数理認識,メディア環境,スポーツ,芸術などから子どもについて理解を深めていきます。
講義で先生の話を聞いて学ぶだけでなく,おもちゃで遊んだり,紙芝居を作って発表したりする授業もあります。子どもの発達支援という授業では,「赤ちゃん先生」といって生後1歳前後の赤ちゃんと触れあったりお母さんから子育てについて話を聞いたりする機会があり,私自身とても印象に残っています。身体を使って実践してみることで学べることも多く,頭で考えるだけが勉強ではないのだと感じます。
コースの人数が少ないこともあり,先生と学生の距離が近く,とてもアットホームな雰囲気です。子どもが好きな人,子どものことを深く学びたいと思っている人はぜひ一緒に子どもの世界を学んでいきましょう。
目には見えない教育を考える―学校ってどんなところ?
平谷 真由 さん (教育科学論コース4年生)
教育科学論コースの特徴は,実際に子どもたちとふれあうその一歩手前の,カリキュラムや制度,歴史などから教育にアプローチしていくところだと思います。一口に「教育」といっても,“現場”だけではなく“目には見えない部分”がたくさんあることに,実際ハッとさせられることが多いです。
先生方のご講義は自分が今まで受けてきた教育場面でのあれやこれやと絡めて考えられるので,自然と興味が湧いてきますし,学生同士の議論も盛り上がります。私自身,入学当初は障害児教育について関心があり他コースを考えていましたが,一回生のときに受けた教育史の授業や少人数であたたかい雰囲気に惹かれて本コースを志望しました。
本コースの学生は教育制度や教育行政に関心がある人はもちろん,教師を目指す人,大学院進学を考える人,なんとなく興味を惹かれて入った人・・・など,小規模ながら文字通り十人十色であり,刺激し合える大好きな仲間たちです。
教職だけを学んだ教師ではなく,いろんなことを学んだ教師に
竹内 悠希 さん (学校教育論コース4年生)
あなたはどんな先生になりたいと思いますか?
それぞれに夢はあると思いますが,そのためには教職だけではなく,様々なことを学ばなければならないでしょう。
学校教育論コースは,教員になるための必修科目が卒業に必要な単位になるため,その他に自分の興味のある授業を取ることが出来ます。つまり,その夢を実現することが出来るのです。
また,コースの行事のシンポジウムでは,自分たちでテーマを決め調べることで,深く学べるとともに,コースで協力し,みんなと仲良くなれます。みんなで話し合い,アドバイスし合うことで,新たな視点を得ることも出来ます。教師になる上では,仲間の協力は不可欠です。一人で出来ることには限界があり,みんなとやるからできることもたくさんあります。それは,教師になってからも大切なことであると思います。
あなたも大切な仲間と出会い,教職だけではなく様々なことを学んだ,あなたの目指す教師になりませんか?
<人間行動学科>
アクティブな気持ちでかかわるほど,楽しくなれる環境
藤本 絢子 さん (健康発達論コース4年生)
私にとって健康発達論コースのいちばんの魅力は,学内で勉強するだけでなく,学びのフィールドが外に開けていることです。私は夏季の長期休暇を利用し,ゼミ活動の一環としてオーストリアのグラーツに短期留学をしました。また,大学の周辺地域と連携したイベントにも積極的に参加し,「目で見て耳で聞いて,肌で感じる」学びを大切にしています。講義のスタイルも多様で,実習や発表,ディスカッション形式のものもあり,授業に主体的に参加することができます。そして,本コースはとてもアットホームな雰囲気です。
勉強のことや将来のことなど,なにか困ったことがあれば,先生はいつも親身になって話を聞いてくださります。一緒に研究をしている仲間とは,研究や就職活動において互いに目標を共有し,一つのチームとして切磋琢磨しあう日々です。素敵な仲間に恵まれ,ゼミでの研究とサークル活動とを両立しながら,とても充実した大学生活を送っています。
多様な学問領域,自分らしい視点から「人間の行動」を探究する
飯野 詩織 さん (行動発達論コース4年生)
行動発達論コースは,生理学,実験心理学,行動科学,社会心理学,社会学といった様々な学問分野・視点から,生涯を通しての多様な人間の「行動」について探究するコースです。
このコースで私は,老年学やスポーツ振興を専攻として学べるゼミに所属し,「マスターズ甲子園」に大会事務局員として関わりを持ち,「支えるスポーツ」「夢の実現」についての実践研究を行っています。その一方で,韓国留学を経験して,隣国である日本と韓国の間でも人々がする行動には特徴や差異が多くあることに気づき,そこに関心を持ちました。「日本と韓国」を大学の講義やゼミ活動における個人的な探究の視点として据えてみると,大学での学びはそれまで以上におもしろく,より能動的なものになってきました。これまでのあなたの「行動」が積み重なって得た経験からなる興味や関心を活かして,あなたらしい視点から,「人間の行動」を探究してみませんか。
スポーツの可能性を捉え,拡げることのできる場所
阪本 圭吾 さん (身体行動論コース3年生)
2020年に東京オリンピック開催が決定し,今後日本におけるスポーツの活性化は様々な場面で私たちの目に触れることになると思います。今こそ私たちはスポーツの価値・役割を十分に知り,それを社会で活かしていく必要があるのではないでしょうか。
そのために,身体行動論コースでは,最大の魅力ともいえるフィールドワークでの実技講義を筆頭にして,スポーツや運動の知識を深めることができ,かつスポーツの立場から様々な問題を考えていくことができます。
このような学びを通して,今に生きるスポーツの価値・役割を実感でき,スポーツの立場から多くの問題を考え解決していく能力を培えることがコース最大の特徴です。この能力こそ将来に活きるものだと確信し,今も学びを深めています。
このコースのおかげで,私はスポーツの可能性の深さとその魅力に,虜になりました。スポーツが大好きで,その魅力の虜になりたい方,是非一緒にこのコースで学びましょう!
<人間表現学科>
† 発達科学部人間表現学科は2014年度から「表現文化論コース」「表現創造論コース」「臨床・感性表現論コース」を統合し,「人間表現論コース」を設置しました。
何を発達させ科学していくのかは,自分が決めること。
岩崎 亮平 さん (表現文化論コース†4年生)
私は,今まで音楽を中心に,芸術を創造し表現することだけを考えて生きてきました。「自分の創造表現はこれだ!」というものを確立するまでは決して諦めず,飯や服は二の次,三の次にしてでも,ただただそれに向かって邁進(と呼べるほど自信に満ち溢れている状態ばかりではありませんでしたが)してきたつもりです。そうして,試行錯誤しては行動するということを中学生の頃から続けた結果,34歳になった今やっと「自分の創造表現」の入口に立つことができていると確信しています。その道程にあったのが神戸大学発達科学部であり,そこは,「独自の芸術」という発達させ科学していきたいものがあった私にとって最適な場所でありました。
30歳を過ぎ,社会人特別入試を経て初めて経験している大学生活ではありますが,年齢などに関係なく,ただ前を向いて自分の信じた道を行きたいという思いで生きている者を,懐深く,この学舎は受け止めてくれます。
ひとりではできない表現の楽しさを学べる表現学科
政木 わこ さん (表現創造論コース†4年生)
私は幼い頃から何かを造ることが好きだったので,大学でも実技的なことを学べるところに進みたいと思ってこの学科に入学しました。芸術大学ではなくこの学科を選んだのは,専門的な分野に偏らずに様々な方向から芸術について学べると思ったからです。美術受験で入学しましたが,美術に限らず音楽や身体表現についての授業も受けることができ,今まで知らなかった表現方法や興味のなかった芸術分野について学ぶことで,興味のある分野がどんどん広がっていきました。また,自分とは違うものを学んできた友人と教え合うこと,それらを組み合わせてみることで,表現する楽しさを改めて感じることが何度もあります。
演習や研究の他にも,作品や演奏を発表する場を自分たちで企画するなど,積極的に活動しています。人を楽しませることを目標に皆で協力して創り上げていくことは簡単ではありませんが,やり遂げた後に得られるものは大きいです。
個が輝き,新たな自分と出会える場所
西村 滉祐 さん (臨床・感性表現論コース†4年生)
私は幼少の頃から,クラシックバレエを学んでおり,身体表現受験で入学しました。表現学科では,舞踊を専攻し,実技や舞踊論,ダンス療法といった幅広い分野から学ぶことが出来,日々充実した学生生活を送っています。また大学入学後コンテンポラリーダンスを始め,ゼミ活動としてダンスパフォーマンスを行っています。様々なジャンルのダンスを学んでいる仲間と共に1つの作品を創り上げ,お互いに刺激しあい,成長しながら身体表現を研究しています。この学科の魅力は,音楽や美術といった様々な芸術に触れる機会も多く,自身の専門分野や研究を他ジャンルの芸術を通して,新たな視点から見ることで表現の幅を広げられる点です。
このように,自分のやりたいことに打ち込み,周りの色んな価値観を持った仲間に出会えることは,このコースならではのかけがえのないものだと思います。
<人間環境学科>
恵まれた環境のなかで自分を磨くことができる場所
丹羽 萌子 さん (自然環境論コース4年生)
地球温暖化,生物多様性,エネルギー開発…我々の身の回りには,数多くの自然環境に関する問題が山積しています。これらの問題にアプローチしていこうと考えたとき,必要とされるのが幅広い知識です。広い視野を持つ学生が育つ場所,それが自然環境論コースです。
自然環境論コースでは3回生まで物理,化学,生物,地学を学び,4回生で自分の専門分野の研究室に所属します。2,3回生では個人でテーマを設定して,研究を行うという授業があります。私はその授業に参加し,ひとつの研究が様々な分野との相互作用によって生み出されていくということや,日頃の学習が持つ重要性を,強く実感しました。
その他にも研究所見学ツアーや合宿など,学生が成長する為の貴重な機会がたくさん与えられます。また,スポーツ・バーベキュー大会など多くの行事が行われ,コース内の仲の良さも魅力です。自然環境を学ぶ上でこれほど恵まれた環境はないと私は感じています。
いろんなタイプの幼い数学者が課題に取り組んでいます!
中島 健太朗 さん (数理情報環境論コース4年生)
ここは,文系から理系,いろんなことが勉強できる,いろんな考えの人と友達になれるところです。そのため,一年目は自分の考え方や進路選択がより拡がって,いろんなタイプの人と話す機会が持てました。
二年目からコース配属で,数理情報環境論コースを選びました。なんだか難しそうな名前ですよね(笑)。実際,解析や代数などが登場したとき,数学にはこんなにも分野があるんだと驚き,内容も「大学の数学」で難しいものでした。何より苦戦したのはプログラミングで,慣れない手つきでコンピュータに触る機会も増えました。しかし不思議なもので,これらを十数人のコースの仲間たちがあぁだこうだといって一緒に解いていく,これが楽しいんです。学んだことは今の私の学習の基盤になっていて,少し数学者になった気分です。ここでは,専門的な数学の研究ももちろんできますし,私を含めた十数人のにわか数学者たちが大学生ライフを送っています。
ホントの自分に気づかせてくれる場所,可能性を広げてくれる場所
三島 尚樹 さん (生活環境論コース4年生)
「将来の夢が決まっていないからどの学部に行けばいいか分からない…」
僕が受験生のとき,このせいで勉強のモチベーションが出なかったのを覚えています。そこで出会ったのが発達科学部,この生活環境論コースです。
このコースの良さは何と言っても「いろいろなチャンスに巡り会える」ということです。ここでは,いろいろな学問に触れることで字面では知り得ない学問の「中身」を体感することができ,受験生の頃では想像もつかなかったような自分の本当の興味を見つけることができました。
授業の他にも,2回生の頃に留学をした経験から英語に興味を持ち,このキャンパス内でSkype英会話に定期的に参加したり,TOEICのセミナーを受講したりなど,さまざまな機会があふれています。
今ではこのコースでの勉強に励みながら,傍ら路上ライブやインターネット上の動画配信などの音楽活動にも力を入れ,勉強と自分の興味を両立したキャンパスライフを楽しんでいます。
社会環境論コースは魅力的な人が集まるコースです!
木村 直樹 さん (社会環境論コース4年生)
社会環境論コースのアピールポイントは,ずばり「人」です。まず,なんと言っても,先生方がとても魅力的です。現在,本コースには8人の先生がおられますが,どの先生も広い視野と高い専門性に基づく興味深い研究をされています。例えば,私の所属している岡田ゼミでは公共性をテーマにしているので,一見すると法学部で扱うような内容ですが,経済,文化,歴史,思想など多岐に渡る内容に話が及びます。これは,先生が幅広い視点で研究をされているからこそです。また,どの先生方も普段から気さくにお話ししてくださり,たわいのない雑談から進路の相談までしていただけます。先生方と学生の距離がとても近くにあります。そして,本コースは所属している学生も魅力的です。同回生や先輩,後輩の誰もが個性豊かで,会話をしていて飽きることがありません。どんな学生が集まるかは毎年異なると思いますが,本コースには多様な人が集まる環境があります。
<発達支援論コース>
発達支援論コースから,世界に飛び出そう!!
黒木 宏太 さん (発達支援論コース4年生)
発達支援論コース(以下,《支援論》)には,主に2つの魅力があります。
1つめの魅力は多様なメンバーがいることです。4学科から集まった学生は,みんな個性的です。また大学院の方々とも日常的な交流があり,留学生や社会人など,より一層多彩な人たちに出会えます。《支援論》に所属しているだけで,多様な世界を垣間見ることができるのです。
2つめの魅力は,自分で自分の学びを作れることです。《支援論》には特定のカリキュラムが存在せず,神戸大学のほとんどの授業を受けることができます。さらに,教授陣の実践的研究やボランティア,学会などに,参加する機会もたくさんあります。私自身は,東北での支援活動や国立ハンセン病療養所でのワークキャンプなどに関わり,掛け替えのない経験をすることができました。自分の意気込みしだいで,多様な世界に関われるのです。
ぜひ《支援論》を通して,世界の扉をたたいてみてください。
<ESDサブコース>
他人事から我が事へ
豊かな「出会い」で視野が広がる
居村 成美 さん (人間形成学科教育科学論コース4年生)
「地球の未来が危ない!」そう言われても,どうしても他人事のような気がしていませんか?ESDサブコースで,私たち学生は実際に地域社会に入っていきます。そこで体を動かし,人と交流しながら,社会の抱えている課題を発見します。「自分には関係ない」そう思っていた問題が,いつのまにか自分のこととして感じられてきます。持続可能な社会をつくるのは一部の天才でも専門家でもありません。私たち自身なのです。未来を担う当事者になれるのが,ESDサブコースの魅力です。
またフィールドワークでは,グループでの活動が鉄則です。学部・学科に関係なくさまざまな分野を学ぶ人たちが集います。自分とは異なる考え方に触れ,常に新しい気づきがあります。多様な視点から課題にアプローチするおもしろさを感じています。人,価値観,フィールド,地域の課題・・・ESDサブコースには豊かな出会いがあふれています。あなたの知らない世界との出会いがきっとありますよ。
案内パンフレット 『神戸大学発達科学部・神戸大学大学院人間発達環境学研究科2015』 より