「社会」とは不思議なものです。一方で,社会とは一人一人の人間の集合であり,つまり社会を形作っているのは他ならぬ私たちです。そして私たちはこの社会の中で,迷いや力不足を感じつつも,他の人たちとともに少しでも幸せに,充実して生きていこうとしています。より良い生き方を目指して他の人たちと協働する場,それが社会であるはずです。
しかし他方で,私たちはこの社会の中で,必ずしも思うように生きていくことができません。いや,「思うように」どころか,せめて「もう少しマシな」生き方を目指すことさえ簡単ではないのが現実でしょう。むしろ様々な壁に囲まれ,「生きにくい」と感じている人も少なくないようです。しかもその苦しみや不安,窮屈さは,最近ますます強まってはいないでしょうか。
私たち自身が社会を作っているはずなのに,なぜこうなるのか。一体どうすれば今の状況を変えられるのか。そして何を目指して進むのか――こうした問題を考えるのが,社会についての新しい学問である【社会環境論】です。
【社会環境論】では,社会を人間の自由な発達のための環境として捉えます。今の社会で私たちはどんな状況に置かれているのか,私たちはなぜ今のような社会を作り出したのか,一人一人が充実して生きるためにはどんな社会が良いのか,そしてそうした社会を私たち自身がどう作り上げるのか。これが【社会環境論】のテーマです。
ですが,このテーマに取り組むには社会を多面的に見る必要があります(社会全体にかかわる問題を一つの解法で解けるわけがありません)。そのために【社会環境論】は様々な分野(政治,経済,法律,歴史,地理…)をベースにしながら,その枠を越えた学問を目指してチャレンジしています。
あなたもこのチャレンジに参加してみませんか?面白さは保証つきです。