プログラムやモデルを開発するとともに,それを企画・運営・評価する実践者の活動・研修を支援する事業
大船渡ESDプロジェクトの推進(社会教育・サービスラーニング支援部門)
支援活動風景
東日本大震災の津波被災地,岩手県大船渡市赤崎町において,震災復興・雇用創出・環境保全・文化継承などを総合した新しいまちづくりの支援活動を行っている。学生・教員・NPOスタッフとともに,毎月訪問し,仮設住宅でのボランティア活動,「赤崎復興市」のプロデュース,赤崎復興隊の活動コーディネートや活動支援を行っている。
獣害対策を地域活性化につなげるプロジェクト(自然共生地域支援部門)
支援活動風景
兵庫県篠山市において,野生動物と人社会との軋轢という問題を長期的な視野で解消することを目的に,獣害対策に都市住民を巻き込む手法の開発をおこなっている。また,そのモデルとして,ニホンザル等の野生動物の里への侵入を防ぐことを目的に放棄果樹(柿)を早期収穫する「さる×はた合戦」イベントの実施を支援し,そのイベントで収穫された柿を使った柿酢を,篠山の特産品である山の芋の栽培につなげ,獣害対策を地域活性化につなげる社会実験を行っている。
地域を主体とした河川の生物モニタリング手法の開発(自然共生地域支援部門)
生物調査の風景
環境DNAと,捕獲の2つの方法を用いて,農村河川で生き延びている生物相のモニタリングをおこなっている。また,地域の人々の視点で生物多様性を保全する環境づくりを目的に,将来を担う高校生や地域住民らとともに河川の生物調査をおこなっている。
地方自治体における木育プログラムの開発(自然地域共生支援部門)
木育プログラム
戦後の暮らしの変化に応じて荒廃した里山を再生するため,子どものころから木を身近に使っていくことを通じて,人と,木や森との関わりを主体的に考えられる豊かな心を育む教育(木育)が求められている。しかしながら,地方自治体は予算が限られているため,できるだけコンパクトで効果の高い教育プログラムが求められている。そこで,兵庫県篠山市において,小学校を対象に木育キャラバンの誘致,ふるさとの森探検手帳の発行,山の中での秘密基地づくりなどを実施した。
ESDの推進を目的としたボランティア・コーディネートの組織化に関する研究(自然地域共生支援部門)
活動風景
自然共生を含め,ESD(持続可能な開発のための教育)を推進するためにはボランティアの存在が欠かせない。しかしながら阪神淡路大震災以降,若者のボランティア離れは切実な課題である。そこで,現代社会にあったボランティア・コーディネートのあり方を考えることを目的に,学生コーディネーターグループのマネジメントを通したアクション・リサーチを行っている。
みのりプロジェクト カフェ「アゴラ」(インクルーシヴ社会支援部門)
カフェ「アゴラ」の様子
「みのりプロジェクト」の柱に,カフェ「アゴラ」における知的障害者の実習活動がある。「アゴラ」での接客や大学事務の補助業務など,いくつかの活動メニューを提供することで,実習生の社会参加やエンパワメントを支援した。実習生の中には,「アゴラ」での実習をステップにして新しい人生を歩み始めた人や,就労支援施設と併用して生き生きとした生活を組み立てている人もいる。
あーち居場所づくりプログラム(インクルーシヴ社会支援部門)
インクルーシヴな地域社会に向かうための拠点として毎週金曜日の午後に「のびやかスペース あーち」で実施。支援を必要とする子どもをはじめとした多様な人たちが,遊びや創造活動を通して,相互に学び合う関係形成のコミュニティの創成をめざしている。2016年10月より,学習支援のプログラムを加え,また「あーち子ども食堂」(灘区連合婦人会との協働実施)とも連携したプログラムに発展した。
邑久光明園・持続可能な島づくりプロジェクトの推進(社会教育・サービスラーニング支援部門)
活動風景
本研究科と連携協定を締結している国立ハンセン病療養所邑久光明園(岡山県瀬戸内市長島)の協力の下,ワークキャンププログラム(春・夏・秋・冬の四回)福島を実施した。持続可能な開発を通して,「ぼらばん」の名称で親しまれているESD推進団体。
障害のある子どもと共に生きている母親のための哲学対話プログラム(ジェンダー・コミュニティ支援部門)
活動風景
大阪大学歯学部附属病院障害者歯科治療部の協力の下,障害のある子どもと共に生きている母親を対象にした哲学対話(哲学カフェ)を開催してきた。障害のある子どもと共に生きている母親の「生きづらさ」やケアのジェンダーバイアス,家族支援のあり方について対話を重ね,自分たちの生活の現状や今後の生活などを立体的に考えるプログラム。(2015年1月より2016年9月にかけて,月1回・計18回)。
大阪大学の学内助成金「未来知創造プログラム(2014年度採択)」の一環として実施。神戸では,「のびやかスペースあーち」の居場所づくりプログラムの中で,2016年7・8月に2回開催した。
「オリジナル・プレイ」プログラム(ジェンダー・コミュニティ支援部門)
スウェーデン・ヨーテボリ市立カナベック聾・特別支援学校の身体表現講師をしているエマ・グラン(Emma Gran)さんをお招きし,「オリジナル・プレイ」のワークショップを「のびやかスペースあーち」で開催した。このワークショップは,コミュニケーションに悩みを抱える子どもが,身体的な調和,動き,触れ合いを使って,「遊び」を創造できるようにするプログラム。保護者や実践者との対話を交えながら,言語表現以外のコミュニケーションのあり方を再考した。募集にあたって大阪大学歯学部附属病院障害者歯科治療部の村上旬平先生,当センター子ども・家庭支援部門の伊藤篤教授,そして,発達支援教室「ほっと」の代表をしている山根弘子先生の協力を得た。科研費研究の一環として実施した。