私たち教育科学論コースでは,今日の社会が直面するさまざまな教育課題への対応を念頭におき,高度な専門知識・技術をあわせもつ教育現場のリーダーとして貢献できる人材(研究者・教員・教育行政職等)を養成しています。すでに初等・中等教員免許を取得している学生に対しては,学校教育という社会制度をあらためて「教育科学」という視座から考察していく中で,高度な知識と研究スキルを習得させることにより,批判的洞察力・自己内省力・自己開発力を兼ね備え,学校現場において指導的役割を担っていくことのできる教員を養成しています。また同時に,これらの専門能力育成の過程を通じて,理論と実践の両方で教育界に貢献できる研究者や教育関係専門職業者の養成を目指しています。
コースにおける学習・研究では,教育科学研究各領域のアプローチの特性を活かし融合して,高度な専門的知識の深い理解を図るだけでなく,特定の教育問題や教育事象の生起する「場」に具体的に介入しつつ,それらを解読する技能・技法を,演習などを通じて習得していきます。現代教育をめぐる具体的現象と同時に,「いかにして教育は可能か?」という教育の原理的基盤や歴史的構造,あるいは人類史的意義についても理解と考察を深めることによって,より高い水準での現状分析能力および問題解決能力を身につけていきます。