包括的かつ体系的なヘルスプロモーション研究
ヘルスプロモーションとは,人の健康に関わる環境要因と個人要因への働きかけを意味しています。前者が健康政策を含む「環境づくり」であり,後者が「健康教育」です。そして,私たちスタッフの共通のキーワードが「一次予防」です。健康を損なった人の治療や回復に関係する「二次予防」や「三次予防」はもちろん重要ではありますが,一般的には多くの費用を要しますし,費用の割には効果もそれほど大きくはありません。また,病気やけがで苦しんでいる間は,QOL(生活の質)も大きく低下します。こうした点を考慮して,私たちスタッフは,そもそも病気やけがをしないようにすること,あるいは現在の健康レベルをさらに高めることを目指す「一次予防」を重視しています。
具体的な研究では,以下の範囲をカバーしています。
- 心身の健康を支える体や心の仕組み,およびその発達を明らかにすること。
- 人を取り巻く様々な環境要因が人の健康や発達,あるいは健康に関わる考え方や行動に及ぼす影響とそのプロセスを明らかにすること。
- それらの知見に基づいて,具体的なヘルスプロモーションあるいは健康教育プログラムを開発し,その有効性を検証し,広く普及する活動。
このような一連の研究を包括的かつ体系的に推進するため,私たちのコースでは,医学・生理学や心理・行動科学など基礎的研究から健康政策や健康教育学などの実践的研究まで幅広くカバーする一線のスタッフが揃っています。私たちスタッフは,それぞれの専門分野で国際的に通用する活躍をしていますし,国や地方自治体の各種委員会の委員長や委員も数多く務めています。また,ヘルスプロモーションや健康教育関係,あるいは,心理学や生理学関係の学会において,重要な役割を果たしています。私たちのコースは,ヘルスプロモーション研究を推進するうえで,最高の環境にあると自負しています。