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自然環境論コース(自然環境論教育研究分野) 大学院生の声2015

日本を石油生産国へ。先端科学を切り開く自負

浅野 貴志 さん (前期課程2年生)

私達の研究室では‘榎本藻’という油を生産する藻類の研究を行っています。この藻は植物と同じように光合成を行い,吸収したCO2を材料に重油を合成し細胞内に蓄える性質を持っています。こう説明されてもピンとこないかもしれませんが,この藻には日本が石油生産国となりうる大きな可能性を秘めています。現段階ではまだまだコストがかかってしまうため,実用化にむけて様々なアプローチで取り組んでいます。

中でも私は,主に分子生物学と遺伝子工学の観点から研究をしています。品種改良のために他の藻類からCO2の取り込み活性に関わる有用な遺伝子を解析したり,‘榎本藻’にそれらの遺伝子を導入し,機能させることでより生産性を高めようとしています。

地球温暖化や資源枯渇が問題視される昨今,この分野は世界中で注目されている最前線の研究であり,そしてこの研究は人々の暮らしを豊かにできる可能性があるので,とてもやりがいがあります。

案内パンフレット 『神戸大学発達科学部・神戸大学大学院人間発達環境学研究科2016』 より