開催について
- 題目
- 国際学力調査から見えてくる教育の課題
- 講師
- 猿田 祐嗣(国立教育政策研究所 教育課程研究センター 総合研究官・基礎研究部副部長)
- 会場
- 発達科学部 A423 (A棟4階)
- 日時
- 2012年7月19日(木)17:00~18:30
報告
本講演では,PISAやTIMSS等の国際学力調査から見えてくる日本の教育の課題が解説された。例えば,1)PISA2009の結果から,今後の日本では,知識・技能と思考力・判断力・表現力をともに育成すること,さらに理数教育や言語活動を充実させるために,関係教科の授業時数を増やすことが重要であること,2)PISAの基盤となる「キー・コンピテンシー」は,「異質な集団で交流する」,「自律的に活動する」,「相互作用的に道具を用いる」の3点から構成されていること,3)TIMSSの認知的枠組みに関して,1970~1980年代は認知的目標形式であったが,2000年代後半以降は行動的目標形式に変化していること等であった。本講演を通じて,国際学力調査作成の背景や意図,さらに国際学力調査の結果をもとに日本が取り組むべき課題を認識することができた。国際学力調査には,多くの理論的な示唆が含まれている。この点を再認識し,調査の結果を単なる数値として受け入れるのではなく,国際的な競争力や生徒児童のニーズといった多様な観点をもとに分析し,次の教授方法等に生かしていくことが重要であることを学んだ。(教育・学習専攻 M2 村津啓太)