開催について
- 題目
- 学びの芽生えから 自覚的な学びへ
- 講師
- 無藤 隆 (白梅学園大学 子ども学部)
- 会場
- 神戸大学附属中等教育学校体育館(明石校)
- 日時
- 平成24年12月8日(土)15:00~16:30
報告
本セミナーは,神戸大学附属幼稚園研究発表会の一部であり,幼小(幼稚園と小学校)の接続期における教育の在り方が示された。概要は以下の通りである。
1)接続期の研究実践の必要性
幼小に限らず存在する接続期における課題を解決するために,お互いを知り,今までの育ちを活かしてこれからの教育を充実させる改革が必要である。
2)幼児教育で育てるべきことは何か
幼児教育では,a)幸せな環境で豊かな感情体験をし,b)遊ぶことで楽しみに没頭し,c)工夫しながら知的な気付きを芽生えさせ,d)ルールなどの枠組の中で自分を発揮できるようにすることが重要である。
3)接続期で育てるべきことは何か
接続期では,a)折り合いをつけて気持ちをコントロールし,b)過去や未来に対するイメージを育み,c)目的をもって活動できるようにすることが重要である。
4)それぞれの領域において重要なこと
教科学習につながるそれぞれの領域では,子どもに個人差はあるものの発達の順序やポイントは一般的であるので,教師がそれらを把握して,環境全体から意図的に取り組んでいくことが必要である。
セミナーの考察
本セミナーを通じて,幼小の接続期における教育の在り方を考えることができた。お互いの仕組みや保育教育に対する姿勢を知ることで初めて,次の段階の教育の充実が図れる。また,教師は豊かな学びになるような工夫を環境全体で意図的に取り組んでいくことが重要であることも確認できた。その工夫には,具体的には,幸せな雰囲気づくりや没頭できる環境整備,学びの履歴を確認できるドキュメンテーション,目標をイメージできるようなかかわりなどが挙げられ,発達の順序の把握などの知識も含めて,そういった知識や姿勢が教師の専門性であるように思われる。子ども時代をいかに充実させられるかについて考えられる,大変意欲が高まるセミナーであった。(教育・学習専攻 M1 田中孝典)