開催について
- 題目
- 批判的思考の性質とその測定
- 講師
- 平山るみ (大阪音楽大学短期大学部助教)
- 会場
- 発達科学部 A423 (A棟4階)
- 日時
- 平成24年10月18日(木)17:00~18:30
報告
本セミナーでは,批判的思考とはいかなるものであり,その測定方法としていかなるテストを用い,いかなることに留意すべきかについて解説いただいた。その概要は以下のとおりである。
1) 批判的思考の性質
・批判的思考は「非難をする」こととは違い,ものごとを客観的に捉える,多面的に問題を検討する,適切な基準を用いて判断する,といった性質をもつ思考のことを指す。
2) 批判的思考の構成要素とプロセス
・ 批判的思考の構成要素には,態度等の情意的側面とスキル・知識等の認知的側面があり,それらをもとに情報の分析を行い,推論をし,行動を決定するというプロセスを踏む。
3) 批判的思考力の測定
・ 批判的思考のどのような面を測定したいのかによって,用いるテストは異なってくる。その中には論理的思考を中心としたテストや,内省的思考に重点を置いたテストも含まれている。
4) 批判的思考を測定する際の留意点
・ 批判的思考のテストは,あくまで批判的思考の程度を測定するためのものであり,テストでの成功が目的とならないように留意することが必要である。
セミナーの考察
本講演を通じて,批判的思考とは,「否定」とは異なり,多面的に問題を検討することが目的であるという性質と,論理的思考に重点を置いたテストを筆頭にさまざまな測定方法があることが認識できた。また,批判的思考を測定する際,テストでの成功が目的にならないよう留意する必要があることを学ぶことができた。子どもたちが批判的思考を身につける支援を行う教師自身にも,批判的思考の性質を理解し,実践に活かすことが求められる。(教育・学習専攻 M1 豊田貴紀)