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高度教員養成セミナー「第8回 学校を変える新しい力―教師のエンパワーメントとスクールリーダーシップ―」

開催について

題目
学校を変える新しい力―教師のエンパワーメントとスクールリーダーシップ―
講師
浜田 博文 (筑波大学教授)
会場
発達科学部 中会議室A (A棟2階)
日時
平成25年1月17日(木)17:00~18:30

報告

 本セミナーでは,普通の公立学校を変えるために必要な要件として,「学校の組織力」を取り上げ,学校組織がいかなる 特徴をもち,いかにして効果的な学校を作り上げていくのかについて,ご解説いただいた。その概要は以下のとおりである。
1)学校の自律性
・ 学校自身が多様化するニーズに対応できるよう,きちんと理念をもって,子どもたちを迎え入れ,卒業させるよ うな体制が組織を通して必要。担任は毎年変わるので,個の教師の専門性を高めるだけでは不十分であり,学校全体としてひとりひとりの子どもを育てるという視点が重要である。
2)学校の組織力
・ 「組織」とは,共通の目標をもった者たちが,意思伝達を行いながら,協働して取り組む集団のことを指す。学校にあてはめた際も同様で,学 校の組織力が高い学校ほど,共通して子どもの学習活動の成功を願い,意思伝達をもとに,1つの理念に従って,協働的に取り組む。
・ 組織には固有の組織文化があり,これは変革可能である。
3)組織に求められること
・ 組織全体を通して共有ビジョンを形成し,教育活動を行うことが重要である。
・ 学校内の限られた個人間のコミュニケーションだけでなく,多方向のコミュニケーションが必要である。

セミナーの考察

 本講演を通して,子どもの学習活動の質を向上させるには,単に 教師の専門性を高めるだけでなく,個々の教師を学校組織の一員として捉え,教師間の密な多方向コミュニケーションをもとに,共有ビジョン を形成し,学校組織全体として取り組んでいくことが重要だと学んだ。世の中の学校に対する評価の低下から,学校の正統性の揺らぎが問題視 される昨今,学校が1つの理念をもって,自律的に経営されることが望まれる。ひとりひとりの教師が学校組織の一員であるという意識をも ち,内部から活性化することで,学校を変えていかなければならないと感じた。(教育・学習専攻 M1 豊田 貴紀)