子どもの発達に作文は何ができるか
若原 ひとみ さん(前期課程2年生)
子どもの発達を支えるために学校教育で何ができるのか,それが私の最大の興味です。とくに,作文をとおして小学生の思考や心の発達を支えるための指導方法を研究しています。人の内面で起こっていることは外からは見えづらいものですが,それをいかに見えるかたちにして取り出すのか。作文は,その手段として可能性を秘めています。であれば,作文指導は子どもの発達にどう関わることができるだろうか。そこが難しいところでもあり,またそれだけに面白いところでもあるのです。
教科教育が何をもとに何を目指し,それが子どもにとってどのような意味を持つのか。授業をとおして,こうした視点の重要性を感じています。他コースの学生との交流からは,専門の中だけでは気づけなかった子どもを読み解く新鮮な観点を見出すこともしばしばです。日々,子どもの姿について学び,語り合う中で,子どもがたくさんのことを私たちに教えてくれる。そこに人間の奥深さを感じています。
案内パンフレット『神戸大学発達科学部・神戸大学大学院人間発達環境学研究科2013』 より