教育現場を助ける,
じわじわと効く漢方薬のような研究を。
宇賀神 一 さん(前期課程2年生)
私は昨年,宇都宮大学から本大学院に進学してきました。進学当初は環境の変化に戸惑いましたが,今では同級生や先輩と楽しく刺激的な毎日を送っています。
丁寧に指導してくださる教授陣が揃い,また貴重な資料が閲覧できる充実した環境のもと,私は「石森延男」という人物の歴史を研究しています。石森は戦前と戦後,日本と中国を跨ぎ国語教育に関わった人物です。8月からは,研究の一環として華東師範大学(中国・上海)に留学して資料収集を行う予定です。
「研究は現場の負担を軽くするものであれ」,そして「歴史研究は即効性がない。しかし,漢方薬のように後でじわじわ効いてくる」という師の言葉を道標に,研究を進めています。石森についての研究は,即座に教育現場の問題の解決には繋がらないかもしれません。しかし,常に現場の先生方の負担や悩みを視野に入れ,いずれ漢方薬のようにじわじわと効果を発揮する,息の長い研究をしたいと考えています。
案内パンフレット『神戸大学発達科学部・神戸大学大学院人間発達環境学研究科2014』 より